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遠くの見え方にこだわりすぎた「過矯正」には要注意です!

眼科医になるまでは、メガネ屋さんでメガネを作るときに1番くっきり見える度数からちょっと度数を落とした状態で作られることに不満を感じていました。せっかく新しくメガネを作るんだから、1番よく見える状態で作ってくれよと。

でもその度数は過矯正である可能性が高く、その度数で日常生活を送っていると、目が疲れてしまうんですよね。ずっと遠くだけを見るのなら問題はないのですが、近くも見ますよね。

この過矯正のメガネやコンタクトで近くを見るためにはたくさん調節力を使います。そうすると肩こりや頭痛が出たり、夕方には近くが見えなくなったり、体がだるくなったりします。

さらにその度数のメガネやコンタクトレンズをずっと使っていると、近くを見るための目が緊張状態が戻らなくなり、遠くが見えにくく感じます。そうするとまた度数を上げないと遠くが見えなくなる。これが過矯正のループです。
目の疲れがひどいとか、頭痛がひどいというようなことで眼科を受診する患者さんのなかには一定数このような状態になっている方がいますね。眼精疲労の原因のひとつは、この過矯正なんです。

とはいえ、過矯正がすべて悪い訳ではありません。やや過矯正の度数を選択した方が、遠くがはっきり見えます。球技などのスポーツをするとき、スポーツ観戦の時、運転の時に過矯正のメガネやコンタクトレンズを使うのはいいと思います。用途に合わせた眼鏡やコンタクトレンズの使い分けは快適に見るためのいい方法です。

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