丸投げ委託😊vs.個別執行😑💦の『成長力』の差【マニアック公務員編】
～誰もが安心して成長できる社会をつくりたい～
人見知りで、声が小さく、コミュ障。短所をあげたらキリがない！
だけど、自分にできる精一杯のことをやり続けた結果、
少しづつ成長し続けてきた、県庁職員のこっぺぱんです。
そんな自分にもできた「誰もが安心して成長できる仕事術」について、
実務体験を基に、コツやつまずくポイントを中心に書いています。
本に書いてあるような理論も大切ですが、実務ならではの視点もぜひ参考にしていただければ幸いです。
自治体の事業執行の方法
今回は、非常にマニアックな公務員の事業執行の話をします。
興味のない方はスルーしてくださいw
自治体が予算を使って事業を進めようとした場合、
歳出予算を使うことになりますが、
歳出予算は、「節」というものが、
地方自治法施行規則で決められています。
地方自治法施行規則（昭和二十二年内務省令第二十九号）
第十五条 歳入歳出予算の款項の区分並びに目及び歳入予算に係る節の区分は、別記のとおりとする。
２ 歳出予算に係る節の区分は、別記のとおり定めなければならない。
文房具やコピー用紙を購入したい場合は、
「10 需用費」という節の予算から執行する必要があります。
会議室を借りる場合は、「13 使用料及び賃借料」という節から。
工事をする場合は、「14 工事請負費」という節から。
というように、いくらお金があったとしても、
その節の予算がなければ、執行することができません。
⇒10 需用費に１００万円あったとしても、13 使用料及び賃借料に予算がなければ、会議室を借りることはできません
（流用という方法を使えば、何とかなりますが、ここではその話は省略します）
節は、議会の議決項目であり、議会に提案する際に、
節ごとに予算額を見積もって提案する必要があります。
有識者会議の開催を例に挙げると、
・有識者への謝礼金⇒「7 報償費」（@20,000円×５名＝10万円）
・会議室の使用⇒「13 使用料及び賃借料」（@2,000×３時間＝6,000円）
・お茶代⇒「10需用費」（@150円×５本＝750円）
というような形で、予算を使っていきます。
つまり、有識者への謝礼金を払いたい場合、
「7 報償費」という節に予算がなければ、支払うことができません。
大規模イベントを実施する場合
国民スポーツ大会とかコンサートとかの
「大規模イベント」を実施する場合、
自治体職員がノウハウを持っているわけではないので、
多くの場合は、イベント業者（電通とか博報堂とか）に企画運営を頼む（委託する）ことが多いのですが、その場合は「12 委託料」という節の予算を使います。
最近は、「公募型プロポーザル方式」という発注方法が多く、
発注予算の限度額を示して、その範囲内で企画提案をしてもらい、
一番評価の高い提案をした事業者に発注するというものです。
例えば、上限額１億円の範囲内で、〇〇イベントの企画運営業務について、
魅力的な提案をしてください。提案の中で一番評価が高かった業者と契約します。
という流れです。
いわゆる「丸投げ委託」というものですね。
そんな中で、地道に頑張ってイベントを作り上げる人もいる
そんな中、委託料ではなく、
イベントの企画を職員が一つひとつ地道に行い、
必要の都度、予算を使っていくという場合もあります。
小規模なイベントなんかは、結構あります。
例えば、
講師謝金を報償費で執行し、
会場使用料を使用料及び賃借料で執行し、
物品購入を需用費又は備品購入費で執行し、
イベント保険を役務費で執行し、
チラシ・ポスター印刷費を需用費で執行し・・・
というような形で、１コ１コ個別に執行していく方法もあります。
最近は、職員の働き方改革が、大きくクローズアップされているため、
できる限り職員の負担を減らすため、
「まるっと委託」を推奨する自治体もあるようですが、
まるっと委託の場合、職員が自ら汗をかかないで済むことが多いので、
ノウハウの蓄積につながらない場合も多々見受けられます。
今年度、うちの事業でも、
１件、プロポーザル方式で「まるっと委託」をしようと思った案件があったのですが、
入札不調（＝手が挙がらなかった）となってしまい、
地道にイベントを進めざるを得なくなった事案がありました。
最終的には、イベントは大成功となったのですが、
１コ１コ執行していくのは、結構大変でした。
が、その主担当のメンバーは、終わってからこう言っていました。
まるっと委託だったらノウハウを学ぶことができなかったと思う。
個別に地道に執行することで、どうやって企画していけばうまくいけばいいか学ぶことができた。自信になった。
という感想を言っていました。
まるっと委託のほうがラクは楽ですけど、
１回くらい個別執行で頑張ってみるのもいいんじゃないかなーとも思います。
みなさんはどう思いますか？
🥖最後までお読みいただきありがとうございます🥖