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先月のお墓参りは☆

8月のお盆が終わったころ、仕事の書き入れ時を乗り越えた娘は機嫌よく自宅から片道3時間くらいの霊園にお墓参りに行きたいと言って私を喜ばせた。
当日の朝、朝が苦手な娘が早起きをしてメイクして黒地に小花柄のワンピースを着て登場した。私もメイクしてそれなりに準備した。とても娘の若さにはかなわないけれど。でも私は高揚していた。助手席でお喋りして久々のドライブを楽しめるのだから。らくちんだしいいよね♬
お線香や仏花を持っていざ出陣。両親の故郷へ向かう。
ところが出発してすぐに、スマホがバッテリー切れになったらいけないってんで、コンビニに入る。ケーブルアダプタ付きを見てスマホに合う合わないともめる。で、2人して無事に購入して車に乗り込んだ。
で、しばらくしてから今度はガソリンを入れなきゃと娘がガソリンスタンドに入る。そして給油。
出発して私は車窓から景色を撮ろうとしてもカメラの機能が作動せず、またコンビニの駐車場に入り娘に直してもらう。
ほっとしてずんずんと進んでいった。かなりの時間のロスになってしまう。
お手洗い休憩も入れてから難所の峠の手前に来て、私はなぜか不安を感じてしまった。心の中で、まずい、ここで具合が悪くなったらどうしよう?と、焦る。
私は、鬱蒼とした景色を見ながら、ママは昔、よくこの峠を走ったわ~!懐かしい!♬とか、お喋りをする。それが功を奏したのか具合の悪くなるのを回避できた。長い峠道を走って峠を越え、母の実家近くの海で記念写真やら動画を撮る。これは娘の希望だった。あくまでその日の目的はお墓参りなんだけど娘は観光もしたいようだった。
サミットが行われた観光地も観て歩きたかったようなんだけど時間がなくて霊園に向かう。娘が子供の頃は私の運転でよく連れてきた地方だったんだけれど娘にしてみれば初めての土地に近くて、これからはナビを使うよと言った。私も何年ぶりかわからないけれど久々だったので、ちょっと不安だった。でも前日に地図で確認していたので行けば思いだすと妙な自信があった。走っているうちに早速ナビが、左折しろ、左折しろとうるさい。
こんなに早くから左折はしないわと、娘に真っ直ぐ行って!と指示をする。
私は、標識や看板で行けるからと娘に何度も言った。娘は不安そうだったが、じゃ、真っ直ぐ行くよ!と言ってナビを無視して真っ直ぐ車を走らせた。
やがて見覚えのある所まできたのでここを左折してと娘に言う。
娘はほっとしたように左折する。しばらく山の中を走っていたんだけど、もう、左折しろ!左折しろ!とナビがうるさいのには困った。
霊園の入り口には看板が立っていて、そろそろだわと思ってたのに、娘がナビの押しの強さに負けて、ここで曲がるよ!と言った。
私もなぜか空気に負けて、うん。と、言ってしまった。
すると、車1台しか通れないような鬱蒼とした砂利道をガタゴトと走るはめになった。なんなのよ、これ~!?と叫ぶ私にナビは目的地に近づいていますと繰り返す。「ぎゃ~~!!」と騒ぐ私に娘はママは黙ってて!と言いながら苦笑い。
しばらく走ってたら、パッと視界が開けた。先程の道路で霊園の入り口の横に出た。ここよ!ここで曲がれば良かったの!と、言いつつ霊園に入りちょっと迷いながらもお墓をみつけ、なんとかお参りができた。
ほっとする。ご先祖様のお導きね。ありがとうございます。ナムナム……。と心の中で唱えた。
それからも、ナビに翻弄されながら街の中を走りまわる。道の駅に寄ったり大きくて有名な橋を通ったりできたんだけど、娘がインスタでみつけた、かつ丼の美味しいお店が臨時休業していて娘は悔しがっていた。
お店も、お盆休みしていたのだろう。娘は、そのお店一択だったので他のお店に行ってみようとは思わなかったらしい。なかなかの頑固者??で、びっくりした。そして娘の中で絶対にプリ機で写真を撮るってミッションがあったらしく、プリ機のあるお店を探した。もう、帰ろうよと言った私も、せっかく来たのだから願いを叶えてあげたほうがいいかな?と思い別の街のお店に入ってみようと提案した。別の街のお店に入ってみるとプリ機があったので2人で喜んで写真を撮ってもらった。(撮ってもらったと言うべき?)
これで無事に家にまで帰ったのだけど娘は今も、かつ丼が食べたかったな~と言ってインスタのかつ丼の動画を見せてくる。
元々、お蕎麦屋さんらしい。グツグツと目の前で煮込むのを見ながら食べられるらしいのだ。確かに美味しそう。
これじゃ、未練も残るわね。それにしても食いしん坊だなぁ……。

いつかは、私がいなくなってもお墓参りに行けるようになってほしいと思って今回、一緒に行ったんだけど……。 
霊園までの道のりは簡単なんだけど、頭に入ったかな?
娘は笑ってごまかすばかりで、かつ丼の事しか言わないんだよね。 
道のりをしっかり覚えてほしいです。
ナビ世代に教えるのは結構、むずかしいかもしれないなぁと思いました。
なかなかの珍道中で良い思い出になったけどね。

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