儂の考えた全方位大丈夫そうなアサクリシャドウズ
「お前の名は”弥助”。お前は今日より”弥助”と名乗れ」
彼は夢見心地だった。
馬に乗った彼の主人は宣教師たちの貢物の織物を颯爽と着こなし、道々からは主人のこの壮大な行列を一目見ようと人々が集まっていた。
かつて地面に藁を置いただけの寝床で小さくなって眠り、重い荷物を延々と運ばされ、鞭打たれ、罵倒され、あらゆる尊厳を踏み躙られていた生活が一変した。
彼、”弥助”はこの立派な行列で、立派な服を着て、この国で1番立派な大名に仕えているのだ。
所有物ではなく、道具でもなく