コラム12医学部OSCE対策 その4 プレゼン編
医学部の卒業前最終試験であるOSCEのお話 第4弾。
OSCEというのは「医療面接の試験」です。
なので、①患者さんに問診をする ②患者さんの診察をする ③プレゼンテーションをする の3要素を、既定の時間内にすることが求められます。
それぞれに注意すべきことがあります。
今回の 医学部OSCE対策 その4 は、最終のプレゼン編になります。
念のためお断りしておきますが、あくまでもこのコラムは、僕が「VR OSCE」を開発するにあたり考察したこと、学生さん達への講義の中で考察したことを基にして記載しています。
実際のOSCEの合格を保証するものではありません。
プレゼン編 目次
1. 言葉遣い
問診診察を終え、ついにプレゼンテーションです!
ここは自分の好きなタイミングで開始していいので、いける!と思ってからプレゼンテーションを開始しましょう。
…とその前に。
大事なことを言っておきましょう。
言葉遣いに関してです。
プレゼンテーションの練習を学生さんにしていると、こんなプレゼンテーションが出てきます。
「えっと、患者さんは〇〇 ▽▽さん。〇歳の男性です。
今日はおなかが痛いということで病院に来ました。
ときおりぎゅーっと差し込むようにおなかが痛むとのことです。
お昼ご飯を食べた後で吐いたとのことでした。
お熱も38度と高くて…」
……。
いや、本人は至って真面目なんですけどね。さすがにちょっと…。
もうちょっと医学的にプレゼンしようよ…となりますよね。
きちんとカンファレンスでよくある感じに修正してみましょう。
「患者さんは〇〇 ▽▽さん。〇歳の男性です。
腹痛、嘔吐、発熱が主訴です。
本日昼食摂取後より嘔吐を認め、現在腹部に間欠的に疝痛を訴えています。
Vitalですが、来院時の体温は38度…。」
うんうん。コレコレ。
シンプルかつ要点を踏まえ、きちんとした言葉と医学用語が用いられていますね。
日本語というのは難しい言葉です。
同じvomitでも、優しい言葉では「吐いた」というけど、格式ばると「嘔吐」という。
全部が全部きれいに言える必要はないかもしれませんが、やはり最初のような小学生の作文のような文章ではダメだと思います。
患者さんに話しかける言葉は優しい言葉を意識し、プレゼンテーションでは医学用語を用いる。
こういった「言葉の使い分け」は、医者であればカンファレンスや学会で鍛えられるものです。
学生さんたちは実習で多くの科をまわりながら、様々なカンファレンスを見てきているはず。
そして、多くの科のカンファレンスで担当患者のプレゼンテーションをする練習をしているはずなのです。
その際に、「OSCEの時もこういう風にするんだ」と思いながら練習するのと、なんとなくするのでは大きな差が出てきてしまいます。
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