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(第17回) 虚血にしたら虚血に強くなる!? Ischemic Preconditioning おまけ話IPCの秘密は〇〇にあり!?

(第16回) 虚血にしたら虚血に強くなる!? Ischemic Preconditioning 後編
より続きです。
昔の、僕が大学院生になって学位論文として書いた論文を紹介…は後編で終わり、今回はやや雑談に近い内容なんですが
僕が現在温めている(といっても後をついで研究してくれる人がいなさそうですが)、Ischemic Preconditioning(以下IPC)に関する、とっておきの大事な考えを書いているので、有料記事にしています。

IPCって何のためにある機能なんでしょうね?…という考察です。


前もって虚血におちいった臓器から、体中を守るたんぱく質(今回僕が調べたHO-1など)が出て、その後の虚血から臓器を守る。
しかも全身に波及する。

その効果は、僕が前編で書いたように、いわば「人間が本来備えている機能」なわけです。
でも、何のためにそんな機能があるんです?

僕はいろんな論文を読みました。
しかし、その機序などの解説や、どの程度効くのかなどの考察はあっても、「なんでそんな機能があるのか?」という考察はない。
それぞれの研究者に推論はあるのかもしれませんが、当てずっぽうでは論文は書けませんからね。

僕は実験をしながら、ずっと「なんでこんな機能があるんだろう?」と考えていました。

「神様がそう作ったから」

と神を信じる人はあっさりそう言いそうですが、それは研究者の回答ではありません。

前もって虚血に陥らせることで、その後虚血に強くなる…。
なんでだ…?
前もって虚血(低酸素)に…?

そうか!!!

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僕の有料記事の売り上げは、基本的に広島大学病院小児外科において小児がんの研究のための基金として使用させていただきます。
続きに興味がある方は、ご寄付のつもりでどうぞ~)

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