【実話怪談】ドアを叩く音
職場の先輩から聞いたはなし。
祖父のお通夜から帰宅し、両親と居間でお茶を飲んでいると玄関のドアを激しく叩く音がする。
家は商売をしているため、ドアは一面すりガラスであり誰かがいれば目視することができる。
父が玄関を覗くがガラスに人影はない。
風かと思い居間に戻ると、またすぐにバンバンバンバンっと激しくドアを叩く音がする。玄関を覗くが人影はない。
音は鳴り止まず誰かが叩き続けている。
音が響く中、恐怖に家族3人は居間で固まり動けなくなる。
しかし暫くすると音は鳴り止み、バイクのエンジン音とともに去っていく音がした。
そう言えば祖父はいつもカブに乗っていたと、バクバクする心臓を抱えながら思った。
ドアを開けていたら祖父と会うことができたのだろうか。