【実話怪談】赤坂の喫茶店①
大学生の頃に、赤坂駅近くの喫茶店でアルバイトをしていた時のはなしです。地下にある不気味な店内で、見えると言う方と出会いました。
その喫茶店は、表参道に昔からある喫茶店の新店舗としてオープンした綺麗なお店でした。制服も女子は軽いメイド服の様なデザインで可愛く、アルバイトは歳の近い大学生ばかりで皆仲良く楽しい職場でした。
しかし綺麗な内装とは裏腹に、日が当たらないからか地下のせいか閉塞感のある息苦しい空間で、居心地が良いとは言い難いお店でした。
私は親から夜遅くにアルバイトをすることを禁じられていたので、朝や昼間に働くことが多く、特に週末のオープンを任されていました。
それほど大きなお店ではないため、6時のオープンから1時間は一人で廻すのですが、着替えや清掃もあるため5時半には出勤していました。
冬場の5時半は外も薄暗く、私は霊感はないのですが朝一人でお店を開ける時はどことなく怖いという気持ちがいつもありました。
怖いと思いながら働いているせいか、変なことが多々起こりました。
一人で清掃をしていると、今の若い方には分からないかもしれませんが、ブラウン管のテレビを付けた時のパチパチっとした静電気のような感じが頻繁に起こるのです。また、お会計の台はケーキのショウケースとなっていて、屈んでその中を拭いていると人影が通ったような気がして、立ち上がり「いらっしゃいませ」と言うと誰もいない、ということが本当によくありました。
私の他にも気味の悪い体験をした人がいて、バイト仲間では地下であるからとか、TBSの電波の影響とか、青山霊園からの霊道が通っているのでは、など色々な憶測が飛び交っていました。それくらい、変な雰囲気のお店でした。
つづく