20240415 そば
母とそばを食べた。帰省のたびに一度は母とそばを食べている気がするので、「ソバ活」と名付けた。今回のソバ活は鶴舞のお店。ちゃっかりそば屋に詳しい(けどあまり話さない)父がほめていたお店だ。しかし行ってみると臨時休業…。鶴舞公園に車も止めてしまったので、一瞬だけ流行った鶴舞公園のリニューアルエリアで別のそばを食べることにした。心はすっかりそば気分だったので、前回下見に来たときに覚えておいてよかった。
そばはサラザン的な、コシのつよいものだ。ちょっと冷やしすぎな感じもサラザンのソレを思わせる。やや麺が太いため、のれん分けとかではないかもしれないが、逆に名古屋の蕎麦屋というものはルーツはどうあれサラザンの影響からは逃れられないということなのかもしれない。そんな素人の適当な妄想がごはんを楽しく盛り上げる。そもそも私はサラザン的なそばが好きなので普通においしくて追加せいろも頼んでしまった。
もうひとつ私に印象的だったのはそばつゆだ。うすい。東京のうまみもしょっぱさも全振りしたようなめんつゆに慣れてきた私には、なにかの手違いかと思うほどうすく感じられた。これならそばをつゆに完全に浸してすするスタイルでちょうどバランスがとれそうだ(これを神田やぶそばでやると明らかにトゥーマッチでむせるに違いない)。しかしよくよくなめてみると、単純な濃度の問題ではなく、そもそものダシが違うようにも思える。カツオほどガツンとこない分、じわりと舌の上で広がるような…あとで調べたところによると、たまり醤油と本みりんを使用しているらしい。西尾のなたね油で揚げたという天ぷらはざっくざくで、ワイルドなおいしさ。じゃことそばの実のごはん(ランチメニュー)も山椒が効いていて私好み。
碧南や西尾の名産品を使うあたりに地元愛、というか三河愛を感じる。碧南出身の母にも好評だったが、ほめながら「普通っぽい」と言っていたのが印象的だった。私が東京のデパートでたまり醤油を買った話を母にしたら、母は昔の碧南ではたまり醤油は「たまり」と呼ばれており、街でしか手に入らない「おしょうゆ」よりもはるかに価値の低いものだった、と教えてくれた。田舎のものが都会の人にありがたがられる、でも田舎では日常的すぎてその価値に気づいていない…そういうことはきっと日本全国で起こっていることなのだろう。デパートで買ったたまり醤油を、もっともっと研究したいと思った。