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ガール ミーツ ガール 【連載小説】

初めて女の子に恋しました 01

「あぁ、やっぱり止めときゃよかった。3話ぐらいで止めればよかったのに、結局全話観てしまった…」
 その時、私は猛烈な後悔と寝不足で何を着たかもわからない状態で店についた。店とはインテリアショップ「Wind and forest」。私の職場だ。
「おはようございます、鈴野さん」
 スタッフルームを出ると後輩の赤星くんが声をかけてきた。うん、いつものように清潔感があってさわやかだ。シャツの一番上のボタンまできちっととめていて、まじめっぽくて可愛いいとお客様からも評判なのだけれど、たまに毒を吐くので黒赤星とか言われていたりもする。
「赤星くん、おはよう」
「楽しみました? 昨晩は」
「なんのこと?」
「え、誕生日だったでしょ。昨日」
 そう、昨日は記念すべき私の30歳の誕生日だったのだが、なぜだか私にもわからないのだけど、1人で焼酎飲みながら朝方まで海外ドラマ鑑賞っていう、とっても寂し…。
「いやいや、楽しかったよ。あの、楽しくてちょっと夜更かしが過ぎてね」「あぁ、やっぱり。目がなんか、アレだからあんまり寝てないのかなぁ、なんて」
 むくんでるのバレバレか。
「那月店長と飲んだんですか?」
「ううん。那月さんには先週前祝いしてもらった。昨日は用事があったみたい」
 私は那月店長に憧れてこの店で働き始めた。
 那月さんは36歳で私より6つ年上のステキな女性だ。那月さんは20代で友人と天然素材をコンセプトにしたセレクトインテリアショップを始めた。個人の作家の作品もあれば、求めやすい価格の商品も揃えている。やがて友人は吉祥寺の本店、那月さんは横浜の支店の店長に。そんな生き方もカッコいいし、店のコンセプトでもあるナチュラルでシンプルだけれども特別感のあるファッションもステキなのだ。嬉しい事に今ではなんでも話せる友人でもある。
「そうだ、赤星くん。今日からじゃなかったっけ、新しい子」
 そう、今日から新入社員が来るのだ。
「今、オフィスで那月店長と話してます」
「どんな子だった?」
「あぁ、まぁ、今どきの子って感じです」
「君だって十分今どきの子だけどね」
「何言ってんですか。僕もう27歳ですよ。おっさんですよ」
「はいはい、開店準備しよ」
 27歳でおっさんなら30歳はなんだっつうの?
 はい、おばさんですよね、立派な。

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