何のために

数年前の今頃は、予備校の夏期講習の授業を受けていた。浪人していたあの頃は第一志望の大学に合格するという大きな夢を持っていた。

何かに熱くなって、夢を追いかけている人が羨ましい。かつての自分もその1人だったけれど。

私は将来の選択肢を広げるために勉強してきたのだけど、いざ社会に出るってなった時に、夢とか目標がぱったりなくなってしまった。私は一体何のために勉強してきたのだろう。

いや、甘いとは思うのだが自分にしかできない仕事がしたいという思いはあるのだけれど、現実にある仕事というのはそれとは逆のことばかり。私じゃなくても代わりなんていくらでもきく仕事。私じゃなくちゃいけない固有の理由なんてない。比べる相手が違うけど、アーティストの人たちはその人にしかできない表現で無数の人々を幸せにしている。私はそれを享受することしかできない無力な1人だ。その当たり前の事実に私は泣きそうになる。

私が生きている理由ってなんなのだろう。名もなき労働者として埋もれていくくらいなら、死んでしまってもいいとさえ思う。

…こんなこと書いているけれど、本当は社会でやっていく自信がないだけなのかもしれない。社会不適合者だという自覚がすでにあるから。私は社会でどうやって生きていったらいいのだろう。

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