『カットスロート・アイランド』 午後ローを予習する。

 本日の午後ローは先週に引き続き、ジーナ・デイビス主演、レニー・ハーリン監督の『カットスロート・アイランド』である。一九九五年の作品。
 莫大な財宝を巡って、あらくれ者の海賊たちが入り乱れ争奪戦を繰り広げるというお話。その財宝の隠された島の名称がカットスロート・アイランドということである。やはり海賊と秘宝は切っても切れない関係らしい。
 あらすじを見るかぎり、かの大人気漫画『ONE PIECE』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの成功例を思い浮かべ、さぞかしこの作品も、と思ってしまうだろうが、本作、なんと映画史上最大の興業赤字額というギネス記録を持っている。制作費、宣伝費はあわせて一億ドル以上、にも関わらず回収できたのは一割程度という恐怖。
 しかし評価されるべき点も多い、と思う。
 個人的には。
 海洋冒険もの、中でも海賊を題材にしたアクション映画は前例としてのヒット作も少なく、当時としても珍しかったんではないだろうか。そういった新しい作品作りに挑戦した制作陣の気概はかって欲しいと思う。
 それに、この映画の失敗がなかったら、あの大ヒット映画シリーズ『パイレーツ・オブ・カリビアン』の企画は、もっとすんなり通ったに違いないのである。いや、実際のところは知らないけれど、たぶんそうだと思う。
 そういった後世への影響や、ギネス記録という点を考慮すると、人の記憶にとどまり続ける、優れた映画なのではないだろうか。
 以上、擁護派の意見でした。