『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』午後ローを予習するタイトル長いね。

 本日の午後ローは『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』。二〇一六年の作品。リー・チャイルドのベストセラー、ジャック・リーチャーシリーズを映画化した『アウトロー』の続編にあたる。主演は引き続きトム・クルーズ。
 注意。本作のトムクルーズは例の人をいらつかせるニヤニヤを完全に封印している。ニヤついたトムクルーズが酷い目にあうのが好きという俺のような人間の需要を敏感に察知し、意図的にシャットアウトしてるようである。しかし、だからといって彼の魅力が半減するかというとそんなことはなく、彼自身の演技力に加え脚本や演出の巧みさもあり、また違った魅力が発見できるだろう。でも俺はニヤニヤしてるトム・クルーズが酷い目にあうのが好き。
 あらすじは以下の通り。
 ジャック・リーチャーは元アメリカ陸軍憲兵隊の捜査官だったが、今ではアウトローとして各地を放浪し権力者らの腐敗を暴いている。そんな彼の耳にターナー少佐逮捕の報が入った。陸軍内部の武器横流しを調査していたそうだが、ジャックとは数日前にディナーの約束をしたばかりである。ジャックもまた濡れ衣を着せられ拘置所に送られることに。しかしジャックを縛ることは誰にもできない。彼はターナーと拘置所から脱獄するが、次に標的になったのは彼の娘とされる人物。ジャックは娘を保護し、ターナーと共に暗殺者らの魔の手をかいくぐり、軍内部の腐敗を調べるのだった。そんな感じ。
 とにかく全編テンポよくサクサク進む。ストレスフリーである。それでいて面白い。演技の上手い奴って短い時間でものすごい量の情報を伝えるよなあと感心する。脚本も良い。シリアスな中にユーモアやらウィットやらをちょいちょい差し込んでくるので、緊張と緩和の配分が心地よい。本作ではジャックの娘が登場し、相棒役のターナーと疑似家族のような状態が生まれる。ジャックの人間味が増し、魅力がさらにアップする仕組みである。たぶん。そして最後までスルッと鑑賞して、楽しめるエンターテイメントに仕上がっている。さすが。でもトム・クルーズはニヤつかない。
 
 ターナー少佐役には『アベンジャーズ』シリーズでも厳つく格好いい役を演じていたコビー・スマルダーズ。本作でもとにかく格好いい。なんかしら取りあえず得物を手にするシーンとか面白い。
 他には『ファイトクラブ』のホルト・マッカラニーとか。
 おすすめ。