『キャプテン・フィリップス』　午後ローを予習する。

　海賊王に俺はなる。というわけで本日の午後ローは海賊の登場する映画『キャプテン・フィリップス』です。本当はあまり茶化すわけにもいかないんだ。二〇〇九年に実際に起きた「マースク・アラバマ号乗っ取り事件」をもとに作られた二〇一三年の作品。
　海賊などと聞くと、イメージ的に『パイレーツ・オブ・カリビアン』に登場するようなファンタジー世界の住人のようなアレを思い描くが、それは僕が平和な国に暮らしているからである。現実の世界にも海賊は存在し、それらは今も活動しているのだ。
　本作ではソマリア海賊が登場するが、彼らがむくつけき大男というわけではなく、かなり貧相な体つきなところなど、逆に恐ろしさを感じさせる。おそらく貧困に苦しむ地元の漁師などだろう、彼らが目をぎらつかせながら漁船を改造したような小さなボートで巨大なコンテナ船を襲撃するのだ。襲う方も命がけという緊迫感がひしひしと画面から伝わってくる。
　監督は『ボーン・スプレマシー』『ジェイソン・ボーン』のポール・グリーングラス。海賊の襲撃を受ける貨物船の船長フィリップスを演じるのはトム・ハンクス。安定感がありすぎる。
　後学のために、少しソマリア海賊について調べてみたのだが、かなり入り組んだ事情があって、簡単に紹介することはできなさそうである。構成員にしても、地元の漁師もいれば、軍事訓練を受けた私設の海上警備隊だったり、麻薬などの密輸業者だったり、その儲けを狙う地方軍閥だったりとかなり入り乱れているようだ。もう少し勉強してみたくなった。