『バトルランナー』 午後ローを予習する。
来た、観た、勝った。というわけで本日の午後ローは、マスターテープがニューヨーク近代美術館に永久収蔵されそうな映画として名高い『バトルランナー』です。されるといいね。
時は二〇一七年。世界経済の崩壊により、警察機構が独裁的に国家権力を握ったアメリカ。国民は政府の情報統制とテレビによる娯楽提供によってマインドコントロールを受けていた。中でも超人気の番組が、実際の囚人を登場させ、悪と正義の戦いを描き出すリアリティショー『ランニングマン』だ。
囚人らはランナーとなって地下に広がる巨大なステージを、ストーカーと呼ばれる正義の使者らの追撃をかわしながら逃げるのだ。無事に逃げ切れば無罪となり、莫大な賞金とリゾート地での安楽な生活が保障される。
無実の罪で捕らえられた主人公ベン・リチャーズもまた、ランナーとして参加を余儀なくされる。彼は迫り来るストーカーから逃げ切り、無罪放免を勝ち取ることができるのか。そんな映画です。
原作はスティーブン・キング a.k.a リチャード・バックマン。『死のロングウオーク』も好き。
本作の魅力はなんと言っても、個性的なストーカーのみなさんだろう。超人気リアリティ番組のベビーフェイスとは思えないほどの凶悪な面々は、世間の価値観が崩壊した近未来を見事に表現しているのだ。たぶん。
それではそんなストーカーを演じる俳優陣を紹介していこう。
まずは自由の戦士、キャプテンフリーダムだ。演ずるジェシー・ベンチュラは元プロレスラー。『プレデター』でもシュワルツェネッガーと共演している。政治家としてもシュワルツェネッガーに先立ちミネソタ州知事になっている。すごいね。
次は火の玉ファイター、ファイアーボール。演じているジム・ブラウンは元NFLの名ランニングバック。一九五七年に一巡目全体六位でクリーブランドブラウンズに入団すると、ルーキーイヤーから大活躍。オフェンシブルーキーオブザイヤーに選ばれる。キャリア九年間のすべてのシーズンでプロボウル選出など輝かしい経歴の持ち主で、殿堂入りもはたしている。引退後に俳優に転向。本作中でも、すでに引退したストーカーという役どころであった。(9/17 追記 記憶違いをしていた。引退していたのはキャプテンフリーダムだった)
続いて雷系ポケモンのダイナモ役はアーランド・ヴァン・リドス。アマレス選手、俳優、オペラ歌手など多彩な経歴の持ち主。その歌唱力を本編でも披露していたが、作品公開前の九月に夭折。一九八二年のホラー映画『ジャンク・イン・ザ・ダーク』でマーティン・ランドー、ジャック・パランス、ドナルド・プレザンスといった大御所らとの共演もしていただけに残念。あと他のストーカーやシュワルツェネッガーがみんな巨体なので目立たないが、この中では198cmと一番でかい。
そして氷結の悪魔、サブゼロ役のプロフェッサー・トール・タナカも元プロレスラー。日系人キャラとして人気が出て、その後俳優に転向、『ラスト・アクション・ヒーロー』や『ブラック・レイン』など出演作多数。笑顔がキュート。
最後にチェーンソーをバイクにつけて疾走するめちゃ絵面がかっこいいバズソー。演じているのはガス・レスウィッシュだが、かなり情報が少ない。ミネソタ州ミネアポリス出身の俳優で『ツインズ』などにも出ているらしいが、確認していないので不明。情報求む。
それからやたらとでかい警備の人は、スヴェン=オーレ・トールセン。 元ボディビルダーで、シュワルツェネッガーとも数々の作品で共演している。
そんな感じかなあ。
ところで、昨年だったか、本作のリメイクの話が持ち上がっていたはずである。今度は原作に忠実な映画として。
それが、どの程度進んでいるのかが楽しみである。
その際には、ぜひボードゲームも発売して欲しい。
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