午後ローを予習する 『タイトロープ』 

 本日の午後ローは『タイトロープ』。クリント・イーストウッド主演のサスペンス映画。一九八四年の作品。
 サイコサスペンスとかサイコスリラーといったジャンルは、今でこそ珍しくもなくなったが、当時はどうだったろうか。この映画が公開された二年後の八六年『刑事グラハム/凍りついた欲望』が公開。興行的にはおそらく失敗。当時は、まだジャンル的に受け入れられていなかったように思う。『羊たちの沈黙』が九一年に大ヒットをし、『コピーキャット』など類似の作品も数多く作られ、『セブン』などのヒットを経て現在に至るというところだろうか。
 おそらく『タイトロープ』も興行的には苦しかったのではないかと思う。同年に『ゴーストバスターズ』や『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』『ビバリーヒルズ・コップ』などがヒットを飛ばしていた。あとは『グレムリン』『ベストキッド』とか。そういった家族向け、大衆向けのライトな作品が乱立する中で、陰惨な連続殺人を取り扱った本作は、かなり客層も絞られてしまったのではないかと推察する。

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