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羽後燦樹
2023年12月2日 17:56
夕暮れが近づいていた。 湿った雪がほとんど横殴りに降りしきっていた。 寒うぅ・・・。 薄手のセーターの上に黄色いジャンパー、手袋はしていなかった。 手の甲のあかぎれから血が滲んできたが、かじかんでしまって痛みの感覚がない。 風が一陣吹き過ぎて、雪が舞い上がった。 僕はあたりを見回した。 とっくに稲刈りの終わった田圃の向こうに大沢の池を取り囲む木々が、その手前には小さな古墳が、黒
2016年9月12日 23:40
「オマエら!なんヤァ~!」「あっちぃ!いけぇ!」「Gyeaaaaaaaaaaaa!」おかるは喚き続ける。怪鳥のような叫び声をあげて。垢にまみれて茶色がかった紅白の着物で、白髪混じりの髪を振り乱して。「オマエら!なんヤァ~!」「あっちぃ!いけぇ!」「Gyeaaaaaaaaaaaa!」おかるは喚き続ける。食べ残した残飯を投げつけつつ、怪鳥のような叫び声をあげて。「オマエら!なんヤ