見出し画像

30年後のリベンジ、ギターリペア。

見出しのギターは1995年に友人に作ってあげたギター。
自分のためのギターはそれまでも何本か作っていたが、人のために作ってあげたのはこのギターが最初だ。
そういう意味では自分にとっては原点になるギターとも言える。

トップはレッドシダー、サイドバックはホンマホガニ、ネックもホンマホ、指板メープル、ブリッジはエボニー。
'95年作成時は塗装はすべてカシュ―、竜の絵は大学で美術専攻の友人に頼んでカシュ―を使い書いてもらった。絵の上からクリヤーのカシュ―を重ね塗りして漆塗り風にしてみた。

’98年にトップのブレーシングが剥がれ、トップの膨らみ、ブリッジはがれが発生してきたので修理をした。
その際、塗装を剥がしての修理になってしまったので、自分で新たに絵付けをして、現在に至る。

そのギターが8年前、修理のため送られてきた。
とてつもなくひどい状態。

1弦側ネック付け根
6弦側ネック付け根

ネックの付け根、両側バインディングを巻きこんで潰れている。

両側ネックの付け根

ざっと見た所見では、弦の張力に負けてトップが引っ張られている。
14F以降の指板トップ下とブロックの接着が剥がれて、指板横引っ張りながら破損、クラックが入っている。これはビンテージのギターによく見られるものだ。
更には側板とブロックの接着も剥がれて歪んでいる様子。

これはもうバラしてトップを作り直すしかないと、すこぶる手間がかかる修理になると思った。

「新しくギターを作り直した方がいい」

状態を友人に伝えたが、作り直すより修理したいとの事。
さて、どうやって修理しようか・・・
色々考えても、中々重たい腰は上がらずあっという間に6年近くの月日が
過ぎてしまった。

毎年、年賀状には「今年こそは・・・」と書きつつも、いつの間にか
社交辞令みたいになってしまっていた。

これじゃ、いかん!!と手を付け始めたのが3年くらい前。
何度も途中で心が折れてしまい、放置状態が続いた。
手をかけてみると、当時の技術の未熟さにあきれるばかりの発見。


何とか表甲を張替えることなく、塗装まで進んだ。
磨きまで完了。
駒付け。

やっと完成しました!!
30年前の後悔、リベンジです。音はさすがに枯れていて30年の時を感じるほど、いい音になっていました。
辰年の終わりに何とか間に合いました。
これからも幸運が舞い込んでくれますように、そしてまだまだ音楽活動、頑張ってくださいと願いを込めて。

to T
from T



ドラゴンギター

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