児童相談所で支援者や養育者にこどもの症状、行動の背景や対処法を説明する際に用いている資料集
2024年9月の時点で私が自分で作成して説明に用いている資料を集めました。これらは、出典を明記していただければ、無料でご利用いただけます。ご感想もいただけるとうれしいです。
自閉症特性の説明プリントは、こども本人にではなく、養育者や関係者に説明する際に用いています。私が自閉症診断をする際には、A4で20ページぐらいの発達歴記載用紙の情報を得てから行いますので、どのエピソードがどの項目に合致するのかを、プリントを見ていただきながら説明します。多動・衝動性以下の項目は、自閉症に必須の特性ではないが、伴うことがよくある特性と説明しています。
自閉症スペクトラム自尊心プリントは、中学3年生ぐらいまでのこどもの養育者や関係者に対して、はじめて診断をお伝えする際に用いています。
自閉症スペクトラム具体策プリントは、こどもの診断を養育者や関係者に対して、はじめて診断をお伝えするさいに用いています。年齢や状況によって、説明の強弱はかわります。たとえば、高校生の場合には療育を受けられるチャンスが少ないため、その重要性を強調しないようにしています。また、養育者が疲れ切っている場合には、専門書や親の会などの情報は重要じゃないですと伝え、「専門書や親の会にいけない私はダメだ」と養育者が思ってしまわないように配慮して伝えています。
「三角形の右下のピンチの状態の時になじみのおとなにひっつくこどもの行動が愛着行動です。「愛」よりも「着」のほうが大事なんです。」「しくしく泣くとか相談するとかは、スムースで穏やかな愛着行動、ぎゃんぎゃん泣きわめく、じたばたする、暴力を振るう、暴言をはくとかは、とげとげした激しい愛着行動です」など説明します。親、親以外の養育者、関係者に説明するときに愛着の図プリントを使います。この図の具体的な使い方は別の動画で解説する予定です。
愛着の問題対処法プリントは、愛着の問題が現在ありそうなこどもの養育者、関係者に説明するときに使います。愛着の図をあらかじめ理解していただいてから用います。
トラウマ症状の図プリントは、こども本人、養育者、関係者にトラウマ症状の成り立ちと症状そのものを説明する際に用います。4ページ目はトラウマ症状が問題行動とみなされているときに、その問題行動にどう対応すべきかを養育者や関係者に説明するときに用います。
ポリべーガル理論プリントを用いる場面は少ないのですが、強く自律神経症状が起っている場合や、侵入症状が明確ではない場合に用います。
ACESとPACESプリントは、不適切な養育をしてきた親に用いることはほとんどありません。ACESをもつこどもの養育を始めた里親さんや施設職員さんや関係者に、どういった体験をこどもにさせてあげればよいのか根拠を持って説明するときに用います。こどもの問題行動が改善せず、里親さんや施設職員さんや関係者が養育に自信を失いかけているときにも、「あなたたちがやってきたことは間違ってないんです、やってきたことの価値はあるんです。」と激励したいときにも使います。