ショートショート
便利な靴
ある日の昼、家のポストに紙が入ってあった。「あなたは当選しました。」と書いてある紙。この前バーゲンセールの抽選が当たったのだ。次の日、ダンボールに入った靴が届いた。その靴は道を教えてくれたり、おすすめのお店を教えてくれたり服や場所に合わせて色や形を変えてくれる夢のような靴だ。(この世界はスマホがない)その靴は充電式で特殊な充電器が必要。
僕はこの靴を履いて出かけるようになった。
履くようになって1年頃、その頃靴によりよく遠くに出かけることが増えた。人をほとんど見ない田舎へ出かけた。そんな中1人で歩いたころ、靴の充電が切れてしまった。「なんで、こんなところで切れるんだ。」そこは知らない町だし、周りには人や家もない。しかも雨まで降ってきた。とにかく走って家やお店を探した。そしたら小さな山小屋にたどり着いた。僕はとりあえずこの山小屋で雨宿りをお願いすることにした。山小屋の住人は50代くらいの男。その男に自分の自慢の靴について教えた。そして、充電が切れてしまって帰ることができないと伝えた。その男はその充電器を作ってくれると言ってくれた。なんと30分で完成させたのだ。男は「こういうのは得意だ」と言った。僕はお礼を言って帰ることにした。果たしてその男は何者だったのか。
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