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㊼恋愛小説「最愛」を読んでみたの巻

マナリさんという方の「最愛」という小説を読んでみました。

※ネタバレはしていないつもりですが、していたらスイマセン。

連載小説として10回で完結している恋愛小説ということです。

いわゆる短編小説比べると、少し長めの小説ですが長編というには少しコンパクトな印象で、意外にサクッと読めてしまいます。

創作大賞2024応募作ということで恋愛部門に応募されているようです。

個人的には、手軽に読める短編小説を読むことが多いんですが、たまには長編というか連載系の小説でも読んでみようかな、ということでたまたま見つけたこの小説を読んでみたんですね。

一言でいうと

「いい話だなあ」

です。

一話一話が短めなので、読みやすくサクサク読めてしまいます。

恋愛小説ということで、しかもタイトルが「最愛」とくれば、これはもしかすると私が苦手な系のものかもとも想像してしまいましたが、全然そんなことはありませんでした。

え? どんなのを想像したかって?

「君が好きだよ」
「あたしも♡」
「結婚しよう」
~最愛~

自分の単細胞ぶりに腹が立ちますが、恋愛ときいてその程度の想像力しか持ち合わせていない私からすると、マナリさんの「最愛」はリアルである種の問題意識も感じる良い作品だな、と思ったわけです。

主人公は、なんだかんだ言って才能豊かなクリエイター(デザイナー)の男性、女性の方はその才能を見抜き理解している雑誌編集者という、非常にバランスのいい組み合わせです。

エピソードを重ねながら出会いから結婚まで流れるように進みます。

その後の流れも違和感を感じないようにとても綿密な描写で自然にそうか、そうなったか、と思わせてくれます。

主人公にとって転機となるエピソードもそうですが、唐突に訪れる一つのピリオドが小説でありながら現実感を浮遊させます。

唐突さは一つの現実でありいかにもリアルですが、小説ならではの意外性を採用していないところが、より現実的なエピソードとして心に響きます。

つまり、一つのノンフィクションのような装いがあるんですね。

やるせない出来事を回収するように、うん、うん、と頷いてしまうようなエンディングは未来へ繋がっていく希望を感じさせるもので、切ないけれど良かったなと思わせてくれます。

いい話だなあ、と素直に感動できるので読後も爽やかです。

というわけでマナリさんの「最愛」を読んだ感想を書いてみましたが、あくまでも個人的な感想ということで、間違った解釈や理解があったらご容赦ください。

サクサク読めて面白かったので、もし読んでなければ読んでみてはいかがですか。

※)感想はどうしようかと思いましたがせっかくなのでやっぱり書いてみました。マナリさんは他にも面白そうな作品をいろいろ書いているようなので、今後も注目ですね。あ、知ってましたか、そうですか。スキ・フォローありがとうございます。励みになります。

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