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「怪人〇〇面相と名探偵」の巻
「冷蔵庫 電気なければ ただの箱」
このセリフを聞いたことがあるあなたは、もしかすると影が動きまわる漫画を知っているかもしれませんね。
怪人20面相は江戸川乱歩の小説に出てくる変装が得意な泥棒ですが、このセリフの怪人は一つ少ない”怪人19面相”という泥棒です。
こちらも変装が得意です。
さてこの「カゲマン」という漫画ですが、山根あおおにという方の面白い作品です。
たしか山根あかおにという兄弟がいたと思います。同じ漫画家だったと思うんですが、読んだことはないんですね。まだ読めるんでしょうか。
「カゲマン」はかなり古い漫画ですが、発想はとてもおもしろいものでした。
カゲマンはぐるぐるメガネを掛けた探偵で、シャドーマンという自分の影といっしょに事件を解決していくんですね。
懐中電灯を持っていて、自分を照らすことでシャドーマンを出現させるという斬新な設定でした。
で、この敵役が怪人19面相です。
モデルはどう考えても江戸川乱歩の怪人20面相ですね。
怪人21面相というのもいましたが、リアルな事件で出てきたこちらの怪人は残念なことに2000年に時効で完全犯罪を成し遂げてしまいました。
こちらも怪人20面相を元にしたネーミングですね。
怪人21面相は結局、謎の人物になってしまいましたが、怪人20面相は実は「遠藤平吉」という本名までわかっています。元はサーカス団で曲芸師をしていたということになっています。
一時期40面相になったようですが、あまり定着はしなかったようです。40面相のエピソードも読んだ記憶がありますが、あまりイメージないですね。
こういった怪盗はアルセーヌ・ルパンもそうですが殺人はしないということになっています。
怪人20面相は、モデルにルパンも入っているようなのでこの”殺人はしない”という設定も踏襲しているわけですね。
そういえば、怪人20面相を追い詰める探偵明智小五郎と助手の小林少年ですが、調べると同性愛の噂が出てくるんですね。
これ、私も昔聞いたことがあるような気がするんですが、どうも作品中にはそのようなシーンはないようですね。ま、当たり前か。言っても子供向けの作品ですからね。
さすがに江戸川乱歩とはいえ、そのような攻めた設定にはしないでしょうね。
クレームも入りそうですし、ネタ元はわかりませんが、今でいうところの同人雑誌みたいなのでそういう話があったのかもしれませんね。
ネットでは、明智小五郎と怪人20面相が小林少年を巡っての三角関係であるという裏設定があるなんて話もでてきますが、もうほとんど別の話になりますね。
日本の名探偵というと、この明智小五郎と金田一耕助、あと一人で三大探偵ということなんですが、誰だと思いますか?
もしかしたらコナンくんかな、と思いきや実は神津恭介だそうです。
このあたりはやはりクラシックな人選ですね。でも納得です。
神津恭介のものは実は読んだことがないので、いい機会なので読んでみようかな。「頭が良すぎる」と形容されているのを見たことがありますが、面白そうですよね。
ちなみに世界の3大探偵となるとシャーロック・ホームズ、エルキュール・ポアロ、エラリー・クィーンとなるようです。
どれもどこか懐かしい名前です。実質的にはホームズの一人勝ちといった感じもしますが、原作ではかなり変わり者というイメージがあります。でも人気ありますよね。
ル・ブランのアルセーヌ・ルパンには「ルパン対ホームズ」というエピソードがありました。
有名どころの対決ということでしたが、やはりどちらかというとルパン寄りだった印象があります。ホームズの作者コナン・ドイルがそれで怒ったとかね。
こういうレトロな話が面白いのは、やはり主人公をはじめとする登場人物が生き生きと動き回っているからだと思います。
現代からみると絶妙な不便さがあってアナログなところもいいですよね。
※)ルパンというと「ふーじこちゃーん」のルパンを思い浮かべる人が多いと思うんですが、クラシックルパンも面白いですよね。怪盗のイメージであるシルクハットと片眼鏡はクラシックルパンのものになります。いやイカしてます。スキ/フォローありがとうございます。励みになります。