視聴結果 : 「ダゴン」
中学生の終わり頃から高校生ぐらいまで「クトゥルフ神話」にハマっていた。
キッカケは日本ソフトバンクが当時出版していた「Beep」というゲーム雑誌で、TRPG「クトゥルフの呼び声」の誌上リプレイを読んだ所から。(たしか、「ショゴス」が出てきた所であっという間に全滅してたが…)
当時からホラー映画が好きで、キングやクーンツの小説を好んで読んでいた事もあって、この見知らぬホラー小説にもすぐに興味を持った。
そこから創元推理文庫の「ラヴクラフト全集」や大瀧 啓裕 編集の「暗黒神話体系シリーズ」などを読み漁り、大阪梅田のキディランドでプレイもしないのに資料としてTRPG、更にグレナディアやホビープロダクツのメタルフィギュアを買い集めたりもした。
只、当時は映画好きやホラー小説好きな奴はいても「クトゥルフ神話」なんて知っている奴は周りに一人もおらず、飽くまで個人でハマっているという感じだった。
当然「H.P.ラヴクラフト原作」と銘打たれた映画化作品も色々と観てきたのだが、どれも「あんまり…」というのが多くて、その内に映画に関してはチェックしない様になっていた。(「ZOMBIO 死霊のしたたり」のような傑作もあるが、コレをラヴクラフト原作と言って良いのか…みたいなのが多いかった。)
で、サブスクでホラー映画を物色してたところ「ダゴン」という見知ったワードん発見。
そういえば何年も前にラヴクラフトの短編「ダゴン」が映画化されたってのを聞いた気もするな…と思い出した所で視聴開始する事に。
当初は「ダゴン」の映画化って怪獣映画にでもしたんだろうか?と思っていたが、物語の導入部だけ「ダゴン」で本編は「インスマスの影」。
ストーリー的には時代を現代に、そして舞台をスペインに移してるんでアレンジは当然入ってるけど、あの小説の感じ・雰囲気はしっかり出ている。
自分が観たラヴクラフト原作の映画の中では一番良かったんじゃあなかろうか。
そしてもうひとつのポイントが「神話生物」の姿形。
クトゥルフ神話が支持されるのって出てくる生物というかモンスターのカッコ良さが大きいと思うのだが、一般に「深きものども」というと魚やカエルに似た水棲生物というのが一般的。
昔、大橋 巨泉 の「ギミア・ぶれいく」で放送した佐野 史郎 の「蔭洲升を覆う影」での「深きものども」もこのタイプだったが、本作では触手を持つタコというかクトゥルーの眷属に近い容姿。
原作でも明確にその姿形が描写されていた訳じゃあないし、「深きものども」はクトゥルーに従属している種族と言われてるのだから近しい姿をしているのも自然といえば自然。
こういう自分の中のイメージが覆えされるのも、映像作品の面白さだと改めて思った次第。
いつも通りどうでも良い思いついた事をツラツラと書いてきたが、長年探していたモノが漸く見つかったんだから大目に見てもらいたい。