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人に関する社会課題を中心に発信しています。

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最近の記事

ふるさと納税の繁栄が地方の衰退を招く

 昨年度(2023年4月から2024年3月)、ふるさと納税により全国の自治体に寄付された額は約1兆1100億円で、初めて1兆円を超えた。これは、前年度比で約1.2倍、令和元年度比で約2.3倍もの増加となっている。  こうした文脈で、ふるさと納税の規模拡大が喜ばしく伝えられているだろう。利用者個人の視点から見れば、所得税や住民税が控除され、2000円の負担で返礼品が貰えるおいしい制度だ。  しかし、私は、ふるさと納税の繁栄が地方の衰退を招くと考えている。その原因は、地方税が民

    • 少子化対策には、子育て支援ではなく、働き方改革

      子育て支援を軸とした少子化対策  少子化が進行し続ける日本。2023年の合計特殊出生率は1.2だった。少子化対策として様々な施策を行ってきたが、少子化解消の目途は未だに立っていない。  2024年6月、政府は少子化対策として「子ども・子育て支援法」を改正した。内容は、子どもを軸にした給付と、働き方改革の推進の大きく2つに分けられる。歳出3.6兆円のうち約8割の3兆円が、児童手当の支給対象延長や、第3子以降の支給額増額など子どもを軸とした給付で、残りの0.6兆円が働き方改

      • 気温上昇は都市化の影響が大きい。

         「最近、暑くなった。」  この言葉、よく聞きますね。しかし、暑くなった原因を「地球温暖化の影響だよね。」と簡単に片づけてはいないか?  この記事では、気温上昇の原因を地球温暖化説からではなく、都市化に注目し考える。  誰もが知っている通り、地球温暖化の定説は、産業革命以降、人間が化石燃料を消費することで、大量の温室効果ガスが排出され、大気中の温室効果ガス濃度が上昇。そして地球が温暖化しているというロジックだ。  IPCCは最新のレポートで「世界平均気温は、工業化前と比べて

        • 就職活動の移り変わり③~1970年代から現代~

          またもや不況の時代 70年代に突入したころ、ベトナム戦争の泥沼化、ドル・ショック、オイルショックなど様々な将来不安要素により企業は採用を渋り始める。  これにより、62年、日経連が放棄した就職協定が72年に復活する。72年は推薦・会社訪問開始日を5月1日、選考開始日を7月1日に設定した。高度経済成長期の有名大学では、5月に内定を獲得していた大学生が多いくらいだったため、いかに採用選考が早期化していたかがわかる。これにとどまらず、74年、75年とさらに後ろにずれ込み、76年は推

          就職活動の移り変わり②~戦後から高度経済成長期~

          終戦と50年代 終戦後、就職口の減少に加え、軍需産業の失業者が溢れまたもや就職難の時代になる。朝鮮特需などはあったものの、戦後から50年代を通して、就職難が続いた。 このころの就職活動に関するトピックを列挙してみる。 ・大学生の就職は学校からの推薦がまだまだ主なものだった。そして、大学が夏休みにそろばん講座を開くなど、職業人を育成する機関としての色合いを強めていった。 ・銀行・財閥・鉱工業(重厚長大)が人気の就職先。 ・採用試験の内容は、筆記・面接・身体検査が主なものだった

          就職活動の移り変わり②~戦後から高度経済成長期~

          就職活動の移り変わり①~1910年代から終戦まで~

          記事の内容 今日、大学生が当たり前のように行う就活。  就職情報サイトで見つけた興味のある企業にエントリーする。企業の説明会に足を運び、インターンにも参加する。面接を行い内定を得たらみんなと同じく4月に入社する。多くの大学生が実際に行っている就活は大体こんなもんだろう。  では、こうした就職活動はどのようにして今日まで至ったのか。この記事を読むとそのことがわかる。  早速、就職活動の移り変わりを見ていきたいが、今回は大学生の視点をメインに見ていく。なぜなら、就職活動は大学生

          就職活動の移り変わり①~1910年代から終戦まで~

          ボランティアを必要としない社会が理想ではないか?

          きっかけ  私は地方の大学に通っている大学生だ。大学では勉強の傍ら、まちづくり(そんなにカッコイイものでもないが…)の活動をしている。そのため、まちづくり関係のボランティアのお誘い、募集依頼を頻繁に受ける。しかし、中には、学生ボランティアのことを都合の良い労働力としか見ていないのではないかと思うこともよくあった。  ボランティアというものに常にモヤモヤを抱いていたが、読んでくださる方も何かしら感じたことがあるのではないか。利他的、自己実現、無償性、責任の有無など様々な観点か

          ボランティアを必要としない社会が理想ではないか?