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自然保護ランニング:足跡を残さないトレイルの楽しみ方

~ 走った証は、己の記憶だけでいい ~

■ プロローグ:走ることと自然を守ること
トレイルランニングとは、ただのスポーツではない。山と対話し、大地の息遣いを感じながら走る冒険だ。だが、もしもその美しいフィールドが、自分たちの走った跡で荒れてしまうとしたら?

「ちょっとくらいゴミを落としても大丈夫だろう」
「道がぬかるんでるから、横を踏み固めて走ればいい」

そうした無意識の行動が、貴重な自然を破壊することになる。では、ランナーが自然に優しく走るにはどうすればいいのか? それが、「足跡を残さないトレイルの楽しみ方」だ。

■ 第一章:Leave No Trace(LNT)とは?
「Leave No Trace(LNT)」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 「自然に痕跡を残さない」 というアウトドアの基本原則であり、登山、キャンプ、そしてトレイルランニングにおいても重要な考え方だ。

LNTの原則をトレイルランニングに当てはめると、以下のポイントが挙げられる。
1. 指定されたトレイルを走る(コース外の踏み荒らしを防ぐ)
2. 水源を汚さない(汗まみれのタオルを川で洗わない)
3. ゴミはすべて持ち帰る(ジェルの切れ端1枚でも残さない)
4. 地面を削らない走り方を意識する(ダッシュの着地で土を蹴散らさない)
5. 静かに走る(過度な大声や音楽で動物を驚かせない)

これは単なるマナーではない。自分たちが愛するフィールドを未来へ残すための知恵なのだ。

■ 第二章:「足跡を残さない走り」の実践テクニック
1. 路面のコンディションを見極める
ぬかるみや崩れかけた斜面では、踏み固めずに進む工夫が必要だ。

・走らずに歩く勇気:ぬかるみを避けて無理に脇を走ると、トレイルがどんどん広がり、自然破壊につながる。ここは「泥んこ覚悟」で走るか、潔く歩こう。
・グリップの効いたシューズを選ぶ:泥の中で滑らないためには、ラグの深いトレイル用シューズが有効だ。例)サロモン「SPEEDCROSS」、アルトラ「Lone Peak」 など。

2. ランニングギアを自然に優しく
・再利用できるソフトフラスクを使う:紙コップを使い捨てるのではなく、サロモンのソフトフラスクやハイドラパックのような再利用可能なボトルを持ち歩く。
・エコな補給食を選ぶ:個包装のジェルを大量に消費するのではなく、自作のエネルギーバー(オートミール+ナッツ+はちみつ)を持参するのもアリ。

3. 人と自然に優しいマナーを心がける
・追い抜くときは静かに合図:「うおりゃー!」と大声を出さず、後ろから「右から抜きます」と静かに伝える。
・野生動物に配慮する:鹿やリスを見つけたら、無理に近づかない。写真を撮りたくても、彼らの生活を乱さないことが最優先だ。

■ 第三章:環境に優しいランニングイベント
最近では、「ゼロ・ウェイスト(ゴミを出さない)」をテーマにしたトレイルランニング大会も増えている。たとえば:

・OSJトレイルランニングレース:給水ポイントで紙コップを廃止。マイボトル持参がルール。
・UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ):厳格なゴミ持ち帰りルールを採用。違反者はペナルティ対象。

これらのイベントに参加することで、自然を守る意識が高まり、自分の走り方を見直すきっかけにもなる。

■ 第四章:走ることと自然保護の未来
トレイルランナーが増えれば増えるほど、自然への影響も大きくなる。だからこそ、一人ひとりが「走ること=自然と共生すること」という意識を持つことが重要だ。

・環境保護活動に参加する:「トレイル整備ボランティア」や「クリーンランイベント」に参加し、自分たちが使うフィールドを守る。
・仲間に広める:「足跡を残さないトレイルラン」の考え方を、SNSやブログで発信する。
・メーカーを応援する:環境負荷の少ないランニングギア(例:パタゴニア、サロモンのリサイクル素材ウェア)を選ぶことで、持続可能なランニング文化を支える。

■ 結論:走るほどに自然を守るランナーになれ
「山に入るたびに、自然が美しくなる」

そんな理想の世界を目指すために、足跡を残さないトレイルランニングを実践していこう。

今日走ったトレイルを、明日も変わらず美しいままに。

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深北男塾note
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