トレイルランにおける怠惰
トレイルランニングで「怠惰」とは無縁だと思いたいところですが、実は山の中にも意外と顔をのぞかせるのがこの罪。自然の厳しさに立ち向かう過酷なランニングではありますが、「怠惰」がさりげなく潜んでいる瞬間があるのです。今回は、トレイルランナーの「怠惰」が顔を出す場面をユーモアたっぷりに振り返ってみましょう。
1. 怠惰と早朝:「あと5分…いや10分…」
早朝の目覚ましが鳴り響き、「よし、今日は早く出発してトレイルを楽しむぞ!」と意気込んでいたはずが、「あと5分だけ…」と二度寝の誘惑が襲いかかります。結局、気がつけば1時間の寝坊。「やっぱり朝はゆっくりしたほうが調子が出るよな」と、自分に言い聞かせてスタート時間を遅らせるのが常。気持ちがだらけ始めた一日のスタートです。
2. 怠惰と装備:ギアの準備が面倒
出発前にザックをチェックすると、前回の使いかけの補給食がそのままだったり、ボトルに水を入れ忘れていたり。ふと「まぁ、なんとかなるか」と思い、補給食も適当にポケットに突っ込み、ボトルも半分だけ。山の中で「やっぱりちゃんと準備しておくべきだった…」と後悔しつつも、次回もきっと同じことを繰り返すのが怠惰の魔力。
3. 怠惰とエネルギー補給:「休憩はあとでいいか」
走りながら疲れを感じても、「まぁ、このまま走ってたらそのうち楽になるはず」と、補給を後回しにしてしまいます。体が「お腹が空いた!」と悲鳴を上げても、「山頂に着いたら食べよう」と自分に言い聞かせ、結局山頂でエネルギー切れ。ランナー仲間に「もっと早く補給しておけばよかったのに」と言われるも、「まぁ、次は気をつけるよ」と言って同じ過ちを繰り返すのです。
4. 怠惰とスピード:「景色を楽しもうという名目でスローダウン」
急な登り坂に差し掛かると、ふと「自然を楽しむことも大切だよね」と言い訳しつつ、ペースダウン。遅れ気味のペースを正当化し、「自然と一体になるランニングだ」と、ただの歩きを「トレイルウォーク」に変換してしまうのです。ランニングではなく、ゆったり景色を楽しむだけになっていることに気づくのは、だいぶあとです。
5. 怠惰と道の選択:「楽なルートでいいか」
トレイルマップを見ると、険しい道と比較的楽な道が選べる場面がたびたび訪れます。内心「せっかく来たんだからチャレンジコースに挑むべき」と分かっていながら、「まあ今日はリラックス重視で」と楽な道を選びがち。結果的にコースを甘やかしてしまい、後で「本気で挑んだらどんな風景が見えただろうか」と少し後悔。
6. 怠惰と記録:「今日は記録更新しなくてもいいや」
普段はタイムを気にしてペースを維持しているのに、急に「記録にこだわるのはよそう。今日はマイペースでいいじゃないか」と、記録更新を放棄。「たまには自由に走ってもいいよね」と自己満足しつつ、最後には少しだけ「でも、あの時もうちょっと頑張ってたらなぁ…」と悔やむ。次回も同じ言い訳で記録を伸ばせない自分にため息をつくのです。
7. 怠惰とゴール後:「ストレッチはまた今度」
トレイルランのゴールにたどり着き、疲れ切った体をストレッチでケアするべきと分かっていながら、「家に帰ってからでいいか」とそのまま放置。家に着いたら着いたで、「まあ、次のランのときにしっかりストレッチしよう」と後回し。翌日、筋肉痛に悩まされつつ、「やっぱりちゃんとストレッチしておけばよかった…」と自分に後悔。
最後に
「怠惰」はトレイルランナーにとって、小さなサボり心から生まれるもので、山の楽しみを倍増させる邪魔者のような存在。しかし、時にはこの怠惰もランニングの一部と受け入れてみるのも悪くありません。あまりに怠惰が行き過ぎれば、次回のトレイルで「今度こそ」と気合を入れ直す良いきっかけになるでしょう。