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トレイルランとキジ打ち

ある日、平日なのにトレイルランに出かけるランナーAさん。昼休みにスマホを見ていたら、天気が良いので急にトレイルの誘惑に負けたのです。思い立ったが吉日。ランニング用のウェアに着替えて、「昼休みが長いランチ会議」と称して、会社を抜け出しました。

山道に入ると、自然の緑が目に飛び込んできて、すっかり気持ちはウキウキ。途中で「ここがいい感じにトレイルの登りと下りを同時に楽しめるゾーンだ!」と、全身を駆使して突き進む彼ですが、あれ?なぜか腹に妙な違和感が…。その違和感が下腹に向かってじわじわと移動するのを感じ、何やら不穏な予感が頭をよぎります。

「あれ?これって、もしかして、来ちゃった…?」彼の脳裏に浮かんだのは、突如襲い来る “腸内のあの現象” です。どうやら出発前に食べたコンビニのおにぎりが原因らしく、山の中でトイレのプレッシャーに勝つ自信がないAさんは焦り始めました。しかし、誰もいない山の中でスピードを落とすわけにはいきません。

ふと横を見ると、草むらの奥に「自然のトイレ」が広がっています。「いや、俺はまだ大丈夫!山の紳士だ!」と自分を奮い立たせ、再びトレイルを駆け抜けますが、どうにも気になる腹の違和感が加速。ここで一気にスピードアップし、目的地の頂上にたどり着くと、「まだ間に合ったぞ!」という達成感が心を満たします。

頂上でのポーズを決める余裕もなく、Aさんは下山ルートを一気に駆け下りますが、急な下り坂がさらなる試練を与えてきます。彼の顔には緊張が漂い、「重力ってこんなに容赦なかったっけ?」と人生についてまで考え始めます。そしてついに、ふとした段差で「うっ」と体が硬直。ギリギリのところで持ちこたえましたが、その瞬間に心の中で何かが弾けたようです。

「これもまた、自然と向き合うトレイルの醍醐味か…」と呟き、無事に麓へ戻ると、彼は安堵の表情を浮かべ、トイレへ一直線。後から思い返すと「なんであんなことに?」と笑い飛ばせる、そんなスリルも楽しみのひとつです。

その夜、SNSに「今日のトレイル、やばかった」と投稿するAさん。でも具体的な内容は語らず、コメント欄には「わかる!」「俺も似たようなことが!」という共感の嵐。トレイルランナーたちはみんな、このスリルを密かに楽しんでいるんだなと悟ったAさんなのでした。

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