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トレイルランニングと色気

一見、関係なさそうなこの二つ。しかし、よく考えてみると、トレイルランニングの道中にはちょっとした「色気」が潜んでいるのではないだろうか?

まず、ランナーの服装だ。トレイルランナーは、軽やかで機能性に優れたウエアをまとっているが、あのピッタリとしたシャツやショーツが、風にそよぐ木々のように自然でありながらも、どこか魅惑的だ。いや、汗でシャツが体に張り付くあの瞬間にこそ、本当の色気が宿るのかもしれない。特に、ランニング途中で給水する際、あの冷たい水が喉を潤す瞬間に見せる涼やかな表情。これこそが、トレイルランナーたちの「自然美」ではないだろうか?

そして、トレイルコースそのものも色気の源だ。険しい山道、木々の間から差し込む日の光、時には足を取られるようなぬかるみ――これらすべてが、挑戦と誘惑に満ちている。特に雨上がりのコースを思い浮かべてほしい。地面は滑りやすく、注意深く一歩一歩踏みしめなければならない。しかし、その不安定な足場が、逆にランナーの動きをしなやかでエレガントにする。自然と対話するように身体を動かすことで、何ともいえない「色気」を醸し出すのだ。

さらに、トレイルランニングにおいては、呼吸の乱れも色気の一部だ。急な登り坂で息を切らし、顔を紅潮させながらも必死に進む姿。これがまた、ある種の色気を感じさせるのだ。「どうしてこんなに苦しいのに続けてしまうのか?」という問いは、ランナーたちの心の奥にある「挑戦への欲望」と「達成への執念」に触れる。汗だくになり、息を整えながらもゴールを目指す姿は、まるで恋愛における駆け引きのようだ。自分との戦い、自然との調和――これらが混ざり合った瞬間にこそ、色気が漂うのではないだろうか。

そして、最後にゴールを迎えた瞬間。頂上の絶景に息をのむその瞬間こそ、全ての努力が報われるときだ。疲れ果て、ボロボロの姿ながらも、ランナーたちは笑顔を浮かべる。この笑顔がまた、全てを乗り越えた者だけが持つ「余裕」の色気だ。

トレイルランニングと色気の関係性。それは、自然の中で自分を試し、極限まで追い込まれる過程にこそあるのだ。派手さや飾り気のないシンプルな美しさが、トレイルランニングの色気を象徴している。そして、それを知った者だけが味わうことができる特別な感覚。それが、トレイルランナーたちを惹きつけてやまない理由なのかもしれない。

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