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5-11 イギリス編 長期滞在のディープな魅力 ベテランスペイン撮影コーディネーターのぶらり旅

6月22日 11日目 ケンブリッジ
 今日の朝食は好物のイギリスらしいパン、Crumpet。パンと言うよりお菓子という説もあるが、私の買ったものは甘くはない。小さな穴が沢山空いていて弾力があり柔らかい。これをさっとトーストして、バターとケンブリッジの蜂蜜をぬって食べる。浸透性が高いので、バターや蜂蜜がじわっとしみてとてもおいしい。イギリスのバターや生クリームなどの乳製品はスペインの物よりも味が濃厚で数段おいしい。この蜂蜜は彼女の友人の知り合いの養蜂家のもの。何となく懐かしい味と香り。

左がクランペット

 Mさんをホームに訪問。今日は土曜日なのでエントランスにもビジターがたくさん来ていた。「Mさん、こんにちは」と部屋の入り口で日本語で呼んだら、にっこり。しばらく二人で彼に色々と話しかけながら両側から軽いマッサージをしたり、さすったり。ご機嫌な様子。会話はできなくなってしまったけれど、握った大きな手で合図を送ってくれる。

手と手でコミュニケーション

 シティーセンターにO2というイギリスの通信会社の店舗があるので、友人が新たな番号の契約をし、SIM カードを新しいスマホにセットして、基本設定をやってもらうようお願いする。今までも彼女はその都度誰かにやってもらってきたので、自分だけではどのサービスを選んだらよいのか、どう設定するのか、指紋認証、顔認証などお店の人が聞いてきても何のことを言っているのか分からない事が色々あるのだ。
店員が5人もいて、次々と来るお客さんの応対をしている。彼女がもしも困ったらここなら自分で来て解決できそうなので、O2にした。ついでに銀行に寄って新しい電話番号を登録。これでネットでの買い物もできるようになる。まだまだ色んな人達に番号の変更を知らせなくてはならないが、大きな一歩。

国旗が立てられたたいちご

 サッカーの発祥地である街の中心広場の青空市場に寄る。土曜日なので出店数が平日より多く、人出も多い。世界各国のファーストフード店、雑貨屋、お土産屋等に囲まれて、自転車の部品販売と修理をする店もあった。八百屋さんには小さいがおいしいいちごやシーズン最後のアスパラにチェリーなどが売られている。わざわざ国旗を立てたいちご、実はイギリス産は少なくて、ほとんどの物はスペインから来るからだ。ある年スペインで農産物が不作で、自国でも品薄だった時には、イギリス中の野菜と果物の棚がほぼ空だったとニュースで見た。また2020年のBrexitでEUからの食品輸入が課税されることになり、物価がかなり上がったという。日照時間が短く寒い時期の長いイギリスでは穀類と酪農は盛んだが、野菜や果物は限られるのだ。
 スペインはヨーロッパの畑と呼ばれる。最近はフランスの農家の人たちがスペインのトラックを襲撃して野菜や果物を駄目にしている。ここには農薬などの規制の違いや価格など難しい問題があるようだが、彼らにとってスペインが脅威なように、スペインの農家はモロッコを脅威に思う。南に行くほど日照時間が長く、労働賃金が安いからだ。モロッコでヨーロッパ向けの大規模農業をやっている会社はスペイン資本が多いのに。

祭会場

 今日はMidsummer Fair (夏至祭り)で6:00-23:59(24時としないところが面白い)まで交通規制があると今朝看板で見たが、帰り道に会場のその名も に通りかかる。普段は時々牛が放されている緑の広い草原だが、年に数回営利目的のお祭り会場になっている。そしてこの夏至祭りはケンブリッジで最も大きなお祭りの一つで、今年でなんと811年!!も続いているそうだ。日本では平家が滅亡した後、「方丈記」が書かれた頃とある。すごい歴史のあるお祭り。会期は19日水曜日の午後1時から23日日曜日の午後1時までの4日間。そして一番賑わうのが今日の土曜日。昨日の夜会服とは異なったセクシーで派手な格好に着飾った人たちが続々と詰めかける。ピンヒールの人たちもいたが、この草原でどうやって歩くのかな?最近こういう祭りには行かないからか、巨大な移動遊園地は遠目にも見たことがないアトラクションが色々ある。ここから友人の家は歩いて10分ほどなのだが、彼女が夕方近所のスーパーCoopに行ったら閉まっていて、お酒を買おうとやって来た若者たちが、怒ってドアを蹴飛ばしていたそうだ。スーパーの中には警備員の姿もあったそうで、これはなかなか凄い。どうやら近所のパブなども酔っ払いやドラッグを買うお金欲しさに盗んだり、暴れたりする人たちを避けるために一斉に閉店していたとか。スペイン人は祭りが大好きで、どの祭りもそれはすごい人手になるが、このような対策は聞いたことも見たこともない。フーリガンで有名なイギリスならではか。

Midsummer fair 


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