馬場大門欅並木とシンクロニシティ。心の支えであったけやきの大樹。
シンクロニシティが起こっている。
旧正月。今日はひとり大國魂神社へ。
実は人生初。武蔵国に産まれたからには行っておきたい神社だった。
府中駅を出て少し進む。するとそこには、
懐かしさを覚える気配があった。
おかえり、と。
初めての場所で、「懐かしい感じ」はあっても、本当の懐かしさとは違う。でもこれは本物の懐かしさ。何故!?
周りを見渡すと、理由はすぐにわかった。
場所ではなく、樹木の気配だった。
そこに在るのは、欅。
古木と次世代の木とが入り混じった、欅並木。その古木たちの気配を懐かしく感じたのだった。真冬なのにあたたかな風が、木の香りを運んできた。
生まれ育った街へ繋がる。
数日前に話を戻そう。
noterさんの記事のなかで、わたしの育った街の教育について紹介されていた。調べると、かつて世話になった人や場所が次々と…そうするうちに出身小学校のnote記事にたどり着いた。
そこでわたしが見たのは、衝撃の知らせだった。
ランドセルを背負い通った学び舎には、いつもこの大きなけやきの木があった。
あの頃は、けやきの木の幹に全身でへばり付いて遊んだ。子どもなら5〜6人が手を繋いでやっと1周手が届く太い幹。
6歳から12歳の6年間、喜びも悲しみも受けとめてくれたあの大樹。
大好きなけやきの木。
あの木が、倒れた……!!
いつまでもそのまま在ると思っていた。
命あるものだからいつかは倒れる。でも……
あのけやきだけは倒れないとわたしは信じていたんだ。
導かれるように大國魂神社へ。
行き先を決めたのは今朝。
他に参拝する候補はいくつかあっだけれど、何故かふっと心が決まった。
「大國魂神社、行こう」
交通アクセスを調べると、最寄り駅は2つ。
家から最短ルートは府中本町駅。
神社の参道を通るルートは府中駅だが遠回りになる。
少し考えて、参道を通ることにした──
後から考えると、府中本町駅からの近道ルートを選んでいたら欅並木にも出会わなかった。遠回りのルートは必然だったらしい。
シンクロニシティは続く。
馬場大門欅並木については、恥ずかしながらその存在すらも知らなかった。
小学校の、美女木のけやきの記事も少し前に発見したばかり。
──おかえり。
美女木のけやきは、今もわたしの心に生きている。 今日出会えた欅並木には、これからも何度も会うことになる。
でも今日だけは。
けやきのための涙を許してください。
そしてもうひとつ、出会いがあった。
帰りにうっかり入ってしまった府中駅の書店にて。
題名も著者もわからず探すのを諦めていた本が、書店員に推されていた。
もちろんわたしの本棚にお迎えした。
樹木たちの知られざる生活/ペーター・ヴォールレーベン
読んでくれて、ありがとう。