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扉の鍵は開いていた

「いつまで続くんだろうこんな生活」
そこは鍵のかかっていない牢獄だった

もっと贅沢したいのになぁ
毎日電車に揺られて通勤なんて嫌だよ

みずから選択した結果そこにいたのに
環境に縛られている気がしてた

でも実は
自分が自分を檻に閉じ込め続けているだけだった

動かなくていいように
動き出さない理由がほしくて


最初は本当に扉が開かないと思い込む

パッと見て開かなそうな扉だから
開くわけがないと思い込み
誰かが開けてくれたら動こう
他力を期待したりもした

どう考えても自分1人の力じゃ出られない
何度も嘆き 何度もあきらめた

外に出られるのはどこか夢物語のように思えて
自分のような未熟者が望んではいけないとも思っていた

でも

本当に自分は未熟者なのか
無価値で生産性のない人間なのか
ならどうして生まれてきたのか

本当にこのままでいいんだろうか
望んでいいはずの幸せをみずから諦め
これ以上悪くならないと最低限の生活に甘んじて
生きていくのか

そうしろと誰かに言われたのか?
いやそうじゃない


みずから閉じ込もって動けない自分でいようとしていただけだった

動く勇気をふりしぼるよりも

身動きがとれないと嘆いている方が最低限だけは確保できると信じこみ、それを安定した生活と呼んでいた


本当の安定は
リスクがない生活だと思っていたんだ



でも、やっぱり納得できなかった
人生はこんなに苦しまなきゃいけないものなのか

外界の遠い光だけを見て
動けないと嘆くのは苦しかった

この現状の苦しみと
一歩踏み出すことの恐怖が天秤にかけられ

ようやく苦しみのほうが重くなり

消去法ではあるけど勇気を出す決断ができた

たったこれだけのことが
他人には理解できないほどの恐怖でもいい
恥じなくてもいい

恥じるべきは
怖くないと自分に嘘をついて虚勢を張り続けることだ 怖いものは怖いと言える勇気が必要だ

手元や足元を見れば打開策はすぐここにある

先入観や社会からの刷り込みを一掃したとき
自分軸で世界を見渡したとき

目の前にただ存在するものがシンプルなものだと気づいた

開かなそうな扉でも出たいと思うなら
可能性にかけて開けようとすれば
そのたった1つのアクション
鍵が開いている事実を知り
結果として自分の可能性を開く


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