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医療と一般社会のギャップ

医療、病院、医者、
そんな言葉から皆さんは何をイメージするのでしょうか?

医療費が高い、偉そう、待ち時間が長い、無駄な検査が多い、儲けてる、高給取り、ヤブ医者、etc.

私がぱっと思い付くのはこんなところですが、見事に悪口ですね。
でもこれ、医療従事者から言わせて貰えれば当たり前かつ仕方のないことであったりします。

すべてを説明すると長くなるので、①医療費、②待ち時間、③ヤブ医者について説明しようと思います。


①医療費はどうやって決まるのか


「医療費」と書きましたが、皆さんが病院に支払うお金は、実は医療費+αとなっています。
単純な部分では初診時には初診料、再診時には再診料と、そんな感じの+αです。

これは大きな病院ほど高くなり、特に大きな病院(入院ベッド数200床以上)では、初診料とは別に「選定療養費」を払わなければならず、これは実は全額自己負担なのです。

しかも7000円以上が法律で決まっているので、大学病院や国立病院などにいきなりかかると、何も治療していない状態で1万円以上かかることもあるわけで。

そりゃあたけぇわ、、、と。
風邪っぽいから薬もらおう=診察料、
では済まないわけです。

②なぜ待ち時間が長くなるのか

これに関しては大きく2つの理由があります。

1つは、病院として利益を優先するあまり、予約枠を多く取りすぎていること。
単純に医者のキャパオーバーです。
私の知る医者は30分間に8人の予約を入れていたことがありましたが、1人あたり4分弱で何が診察できるのやら、、、

もう1つは①と被りますが、大病院に患者が集まるからです。
少しでも良い病院に!なんて心理でしょうか。
実際は大病院にかかる意味はあまりなく、光に集まるなんとやらと思ってしまいますが。

実際に救急病院も兼ねている大病院では、急患や緊急手術も入りますので診察が途中で止まることも多々あります。
さらに検査機器が多いことが強みですので、ただの風邪であっても血液検査(炎症、感染の確認)、レントゲン(肺炎の確認)くらいはするとして、余裕で2時間コースです。

患者は待たされる、職員はクレームにあう
Win-WinならぬLose-Loseな関係性
誰得?と言うなら病院の経営者でしょうね。

③なにをもってヤブ医者なのか

医療職としては医者を悪く言いたくはないので、まずはヤブ医者という認識を正します。

ヤブ
=診断ミスをする、薬をくれないorもらった薬を飲んでも治らない
とかでしょうか?
人によっては、
話を聞いてくれない、冷たい、診察時間が短い
とかもレビューサイトで星を下げる要因ですかね?

そのとおりだと思います。
しかしながら、これもまた病院側の視点からでは当たり前だったりします。

漫画ではよく題材になりますが、ゴッドハンドと呼ばれる医者が実際にいます。
世界中のいくつもの病院を飛び回り、最後の希望として患者が送られてくる。
そんなゴッドハンドの診察での病気の的中率は50%と言われています。

低いと思いますか?
いえいえすごく高いんですよ!

基本的な診察では
検査→異常な数値(所見)→それにあわせた処方
の流れであり、実は病気を特定しているわけではありません。
分かりやすく言えば「原因は分からないけど○○が悪いから薬を出しますね」ってことです。
もちろん異常がなければ薬は出ません。

薬が効けばOK、効かなければ精密検査(場合によっては検査入院)。
病院としては始めからそのくらいのつもりですから、最初から50%で原因を見つけられる医者は、まさに神!となるわけです。 

少し話が逸れましたがそういうことです。
正しい診断ではなく、間違ってはいない診断なのです。
ちなみに命にかかわる病気がないかは、優先的に調べますので、何もなければ無駄な検査をされたと感じる方もいるかもしれませんね。

最後に、私も1人の人間として優しい医者が良い気持ちは分かりますが、1人1人に時間をかけていれば、それだけ待ち時間が長くなります。
クレーム言わないでくれます?


どうだったでしょうか?
半分以上愚痴になってしまった気もしますが、
「大きい病院が良いわけではないのか」
と少しでも思っていただけたら幸いです。

行きつけの優しいおじいちゃん先生のいる町医者、それが好きだったなぁと思うのです。

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