見出し画像

"4回目の入札で交渉権獲得""独立Lから2位指名"マリーンズの2023ドラフトを振り返る①

 大学選手権優勝投手の常廣羽也斗、最速158キロ左腕の細野晴希を中心に大豊作として注目された2023年ドラフト。今季オリックスに大差をつけられ2位に終わった千葉ロッテマリーンズは、来季の逆襲に向けてどのような指名を行ったか振り返っていきたい。



-指名ポイントについて

 今季のマリーンズは、規定打席到達者が4人いる中で、チーム内首位打者はG.ポランコの打率.242でリーグ18位(22人中)。レギュラー野手が打撃の確実性に苦しんだシーズンであった。また、長打力不足も露呈。日本人での20本塁打は2019年の井上晴哉(24本塁打)以降達成できていない。このようなチーム状況から、チームの主軸として期待できる打者が指名ポイントの1つであった。
 
 また、先発投手陣は、順位争い真っ只中であるシーズン終盤にブルペンデー(リリーフ投手が先発し小刻みに継投を行う)を敢行。CSでも再びブルペンデーがあり、先発投手の枚数不足も痛感させられるシーズンであった。

 リリーフ陣はシーズン序盤こそ益田直也、L.ペルドモ、澤村拓一で安定感のある勝ちパターンを形成できていたが、シーズン中盤から疲れが見え始め失点が目立つ。そんな中でトレード加入組の西村天裕、坂本光士郎、自由契約で獲得した澤田圭佑などが要所で踏ん張り、何とかシーズンを戦うことができた。

 ファームに目を向けると、リリーフ投手は東妻勇輔国吉佑樹鈴木昭汰などある程度1軍への供給ができていたが、先発投手はファームのローテーションを任されていた菊池吏玖唐川侑己本前郁也がそれぞれ1軍で1先発のみに終わった。1軍ローテーションに食い込んでいける即戦力投手もまた指名ポイントの1つであろう。


-指名選手

1位 × 度会 隆輝  外野手(ENEOS)
   × 草加 勝   投手 (亜細亜大学)
   × 細野 晴希  投手 (東洋大学)
   ⚪︎ 上田 希由翔 内野手(明治大学)

2位    大谷 輝龍  投手 (富山サンダーバーズ)
3位    木村 優人  投手 (霞ヶ浦高)
4位    早坂 響   投手 (幕張総合高)
5位    寺地 隆成  捕手 (明徳義塾高)


-1位指名

 目玉と言われた東都BIG3(西館勇陽、細野晴希、常廣羽也斗)を中心に大学生投手が中心となった1位指名の中、マリーンズは初回入札で度会隆輝(ENEOS)を指名。即戦力の外野手として1年目からレギュラーポジションが狙える存在であり、メディアへの対応も含めスター性も抜群であったが、公言していた中日に加えDeNAと競合する。交渉権を獲得したのはDeNAであり、再入札となった。
 その後、野手指名から一転、大学生右腕の草加勝(亜細亜大学)を指名。しかし、これもまた中日と競合する。結果中日がくじを引き当て再入札となった。3度目の入札では、最速158キロ左腕の細野晴希(東洋大)を指名。しかし、これは日本ハムとの競合。またも交渉権は得られず。12球団で唯一4度目の入札に回ると、ここで野手指名に戻り勝負強い打撃が売りの内野手、上田希由翔(明治大)を指名し交渉権を獲得した。

-2位以降

 今季2位のマリーンズは2巡目の指名が全体の22番目であったため、上田大河高太一岩井俊介など即戦力期待の大学生投手は既に他球団に指名されてしまった。そんな中、2巡目で最速160キロ右腕の大谷輝龍(富山サンダーバーズ)を指名。独立リーグからは、2013年の又吉克樹(ソフトバンク)以来10年ぶりの2巡目指名となった。3位で1位指名も噂されていた高校生右腕、木村優人(霞ヶ浦高)、4位で地元千葉から高校生右腕の早坂響(幕張総合高)を、5位でU-18日本代表のリードオフマンを務めた寺地隆成(明徳義塾高)を指名し5人で支配下指名を終えた。また、育成で投手を2人、野手を3人指名。そのうち高校生が4人と、ポテンシャル重視の指名となった。

-まとめ

 今回は2023年ドラフトの指名ポイントと結果について振り返った。次回は、指名選手について1人ずつ見ていきたいと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?