日本酒何℃で冷やす? (温度編)
お願いレ○コム めっちゃ買いたいなら
ウー!(買っちゃえよ!)ハー!(買っちゃえよ!)
お財布にお願いだ!
今回、日本酒ラボさんにて、初商業案件としてうちの子(AQUA社製SAKE CABINET)の紹介記事を書かせていただきました。
せっかくなので、この記事と関連しまして、
「実際、日本酒用保管庫ってどう選んだらいいの?」
ってお話を簡単にまとめてみたいと思います。
第1回の今回は、保管温度にフォーカスして評価点をご説明します。
尚、業務用途に関しても参考情報はまとめますが、あくまで「自宅に置く」ことにフォーカスして評価しますので、悪しからず。
1.そもそもどんな種類があるの?
ざっくり表はこんな感じです。
うちの子(SAKE CABINET)は①家庭用日本酒セラーです。
人気のあるレマコムやホシザキ等、日本酒愛好者から主にメーカー名を相性として呼ばれるものは、業務用機器で⑥または⑧を指します。
次項からは、ポイントを絞りながら各種のメリデメをご説明していきたいと思います。
2.日本酒何℃で冷やす?
ここでのポイントは、以下の2点です。
<1>「日本酒の適温は-5℃」って、どういうこと?
<2>結局、どれだと何℃で冷やせるの?
細かいことは、次からそれぞれ見ていきましょう。
<1>「日本酒の適温は-5℃」って、どういうこと?
ポイントは、サクッと言うと以下の2点です。
・温度が高いのは良くない
・温度は低いほど良いが、低すぎるのは良くない
この最適解が「-5℃」です。
温度が高いと何が起こるかと言いますと、熱によって味・香り・色が変化します。
これはメイラード反応(やその副反応のストレッカー分解)と呼ばれ、「カラメルやスパイス、醤油、焦げ等の風味」や「黄~褐色系の着色」を生じる作用です。
日本酒では概ね0℃以上で発生すると言われており、温度が高ければ早く、低ければゆっくり進む反応になります。
(余談ですが、生酒以外の製造工程に含まれる『火入れ』作業でも、メイラード反応やストレッカー分解は多少生じますが、反応を最小限にする技術が日々開発/改良されていますよ!)
この理由から、「熱変化を起こさせたくないのであれば、温度は低ければ低いほど良い」と言えます。
また、低すぎる場合の問題点は『凍結による膨張』にあります。
アルコール濃度が高い液体ほど凝固点が下がり、「アルコール度数が1%上がるごとに、凝固点が水と比較して1℃下がる」のが目安だと言われています。
凍るとどうなるかというと、お酒に含まれている水が膨張します。
お酒の成分には水分子が多く含まれますので、「原酒なら加水してないから膨張しない」などということは当然なく、必ず膨張します。
膨張すると体積が増え、場合によっては容器が破裂することもあります。
容器が破裂してしまうと、お酒自体が漏れ出してしまったり、ガラスの細かい欠片が混ざってしまったりと、飲めなくなるような状況が発生します。
日本酒のアルコール度数は14~19%くらいが多いですが、最近は10%前後の低アルのお酒も人気で増えてきています。
そのため、「-5℃くらいまでだったら、日本酒はほぼ確実に凍らない」と言って良いでしょう。
この2点を総合しますと、「日本酒保管の最適解は-5℃前後」ということになります。
<2>結局、どれだと何℃で冷やせるの?
めんどくさいから、まずは表を見て←
①日本酒セラー
家庭用は競合製品が無くて、AQUA一択なんですよね。
日本酒に最適としか言い様が無いです。
②日本酒/ワイン兼用セラー
このジャンルも、家庭用はさくら製作所のZEROシリーズしかないです。
氷点下非対応ではありますが、温度設定の厳密さは強力です。
機種によっては、1台の中で異なる2つの温度帯を同居させることも出来るので、日本酒とワインの同居だけでなく、日本酒を別温度帯(片方は5℃以上になりますが)で熟成させることも可能です。
業務用は中田英寿氏のJAPAN CRAFT SAKE COMPANYが中心になり開発したSAKE CELLARが該当しますが、ZEROシリーズの大型化・性能強化版ですね。-5℃対応ですが、家庭で使えるお値段ではないです…
③ワインセラー
最低温度は食材用冷蔵庫並み、大半がワインを前提とした横置き設計と、見るべきところが無いです。日本酒が目的なら選択肢にはならないでしょう。
④食材用冷蔵庫
基本的に冷凍室は使えません。
冷蔵室・野菜室は、すぐ飲むお酒なら良いでしょうが、保管向きではないです。
ファミリーサイズにあるチルド室やパーシャル室は温度帯的には良い感じですが、如何せん四合瓶や一升瓶が入る大きさ・形ではないですね。小瓶なら良いかも。
⑤業務用冷凍庫
冷凍専用機種はダメです。
⑥チルド対応型冷凍庫
キーワードは「三温度(冷凍・チルド・冷蔵)」、チルド対応が肝です。
みんな大好きレマコムは、同社の三温度帯冷凍ストッカーの通称ですね。
業務用機器故に霜取り等のメンテナンスの手間があったり、みんな大好き足下急冷スイッチ(凍結事故の元凶)があったり、メモリしかないので温度計の設置が必須だったりと愛すべきキャラクターですね←
メーカー毎に仕様違いもあると思うので、要調査です。
⑦密閉型冷蔵庫
基本的には選ぶ理由が無いと思うのですが、機種によってはチルド帯に対応したモデルもあるようですので、⑥同様に調べてみましょう。
⑧ショーケース型冷蔵庫
なんだかんだ、各社結構0℃くらいまで対応しているので、温度だけなら選択肢には入れられるかもしれません。
セラーのように紫外線を防ぐタイプのガラスになっているわけではないので、家庭用冷蔵庫よりはマシだけど、熟成や保管の観点ではオススメ度は低いですね。
これは、それ以外の魅力で選ぶものです。
3.日本酒以外も入れるなら、温度どうする?
一言コメントだけです。あとは自力でよろしく!←
<1>低アル日本酒、どぶろく
ビール並に簡単に凍るけど、アルコール度数15℃前後の一般的な日本酒以上にデリケートなので、基本的な考え方は日本酒と一緒でいいです。
<2>ビール
高温はあまり気にしなくてもいいと思うけど、凍結に関しては日本酒よりもアルコール度数が低いからデリケートだよ。
エクストラコールドを狙うなら-5℃をキッチリ狙えるタイプにしようぜ。
冷えてりゃいい、って話なら、むしろ0~5℃が良いのでは。
ちなみにビールの飲み頃って、実は発酵温度(ラガー系は5~10℃、エール系は15~20℃)と言われてるので、実は必ずしもキンキンが最適なわけではないんだけどね…(日本人はドライ系ピルスナーのキンキンが好きな人多いけどね←)
<3>蒸留酒
基本25%以上の高アルだし、-20℃でも凍らないよ。
家庭用冷蔵庫の冷凍室か、むしろ醸造酒ほど変化しないしいっそ常温でいいのでは?
<4>チューハイ
飲みたいときだけ凍らないように冷やせ!
<5>カクテル
冷やしすぎると香りも出なくなるし、気分でいいのでは…
4.まとめ
細かい評価は前項に書きましたが、温度にフォーカスした場合の結論はこうです。
・何も考えたくなければ、家庭用の『①日本酒セラー』を選べ!
・弱音を吐かずに自力で頑張るなら、業務用の『⑥チルド対応型冷凍庫』も選択肢としてはあり
・次点としては、『②日本酒/ワイン兼用セラー』もオススメだけど、①ほど長期熟成保管には期待するな
次回予告
は何やるか決めてませんが、テーマ候補はこの辺りです。
・紫外線って気にすべきなの?
・縦置きじゃないといけないの?
・お金って、気にするのは初期投資だけなの?
以上、ひとまずはここまで!←