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父のつぶやき

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#母の闘病記録2020

【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その5)

【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その5)

「介護」の心構えと「家族関係」を考える ここ数日、妻・瑞穂は眼をあけている時間が増えてきました。手足の浮腫みは無くなり、痰の絡みも減り、呼吸も安定し、顔色も良くなりました。その前は今にも命の灯が消え入るような雰囲気であったので、元気になったのは確かです。しかし頬はこけて、手足は骨と皮だけのように痩せこけています。栄養も水分も摂取できていないので当然ですが、本人は一言も発しないで、どんな気分なのかは

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【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その4)

【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その4)

「療養型病床」の病院から「特別養護老人ホーム」へ 四回目の出血の時、私は妻・瑞穂の「死」を覚悟しました。しかし妻は奇跡的に一命をとりとめ、意識を回復することが出来ました。脊髄から髄液を腹部で吸収させる措置が成功したのです.しかし、麻痺は進行しており、認知症という診断も追加されました。そして治療が終わったという理由で退院を迫れます。自宅に連れて帰るのは不可能であり、三回目の出血を起こしたリハビリ病院

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【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その3)

【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その3)

妻・瑞穂の近況と「老衰死・自然死・平穏死」 妻・瑞穂は経鼻管で注入された栄養や白湯も吸収できなくなり、体内の水分も減少していき、「枯れた」状態になりつつあります。やせ細ってきていますが、手足の浮腫みも取れてきて、痰の絡みも減っています。それによって落ち着いてきており、時折、目をあけキョロキョロするそぶりも見せます。意識があるのかわかりませんが、苦痛は感じていないようです。

 何も食べなければ「餓

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【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その2)

【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その2)

妻・瑞穂との出会いから結婚まで 妻・瑞穂は、父・近藤武樹と母・百合子の長女(一人娘)として、1944年7月16日に愛媛県新居浜で生まれました。生まれて間もないころに父・武樹が亡くなり、母・百合子は実家である愛媛県今治に帰ります。そして百合子は瑞穂を育てるために洋裁を習い、必死で働くことになります。その間、瑞穂は百合子と暮らしながら、母方の祖父母に面倒をみてもらいました。近くに住む百合子の兄夫婦に助

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【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その1)

【父のつぶやき】妻・瑞穂との暮らしを振り返って(その1)

 2020年4月9日、妻・瑞穂は五回目のくも膜下出血を起こし、左半身に加え右半身にも麻痺が広がり、しゃべることも出来なくなりました。医師より回復は困難と言われ、一カ月の入院後、退院して入所していた特別養護老人ホーム・晃の園で「看取り介護」されることになりました。第一回の出血から43年、前回の出血から10年経過しています。

 妻・瑞穂は私と出会った56年前から教師になることを目指しており、教師とな

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