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適当言うなクソ野郎

眠剤を飲んだ。変わらないサイレース2ミリ。
後炭酸リチウム。何故かは知らないけど飲まなくちゃいけないんだってさ。
それと眠剤遊びを辞めたかった僕はマイスリーをデエビゴに変えたんだ。うん。

寝ようにもなにも食べてないから腹の中で劇薬が暴れる。決して規定量を超えて飲んだりしてない。
精神疾患がデフォになった僕だから、母親は勝手に精神障害の申請を出した。それに、障害保険。診断書と何枚かの紙だけですんなりと通ったそれは、精神障害二級だった。
一年に7〜80万貰える。僕は働かずにみゅうじっくとあゝとをやっているから、所得がない人としてそれを受給してる。

勿論僕は自分の口座に500円くらいしか入ってないし、別口座で母親に勝手に管理されてる。僕のもつ障害者手帳は緑色で僕の愛してる婆さんの赤色とは別物だった。精神の二級ってのは生活のあらゆるもの、例えば服薬、金銭、掃除、ゴミ出し、そんな生活に関わる全てがコントロールできない者が該当する。
「おいおい、これはボクではないか。」
東大出てる話聞かないクソ医者の出した診断書をチラッと見たことがある。
「対人関係に異常な恐怖、トラウマがあり、就労できる状態ではない」って書いてあった。
「適当言ってくれるね、このクソ野郎」

もう何ヶ月も眠剤を過剰摂取しながらアルコオルを飲む生活から離れているから僕は多幸感が足りなくて今にも死んでしまいそうだったり、そうでもなかったりする。
「真人間になるぞう!」と言って過剰摂取を辞めたけど、9%のアルコオル500mlを2本飲んでから眠剤と精神安定剤を飲んで寝るのが癖になっていて、またアルコオルも僕にとって珍しく酷く優しかったから、そんな生活をしていた。

そしたら毎晩酩酊になっている僕を病院帰りの兄弟が酷く貶すもんだから、昨晩後ろから引っ叩いてしまった。彼は首に大怪我をしたばかりで、脊髄なんかをやって軽い障害なんかになっていたから、家族に酷く軽蔑された。
「勝手なことばかり言うなクソ野郎」

近頃僕は自分の思考が止まってることにずっと気づいていたけれど、黙ってそれを容認していた。だって、もともと僕は考えすぎだし、考えすぎて誰かのあどばいすがとっくに考えたいつかの思考だった、なんてことしかなかったから自殺までしてる。
「僕が考えれば考えるほど、それは死に近づくのではないか?」なんて考えになったから、精神安定剤の劇薬が増える一方だった。

その薬はクエチアピンという薬で、謂わゆるジプレキサの少し弱いものだった。僕が自殺に失敗し、病院から出ることができなかった時、僕の調書を読んだ精神科医から初めて出されたものだった。
それは酷く落ち込んだ心も、躁状態のこころもしっかりと殺してくれる薬だった。
僕はその薬を飲めば何も考えることができなくなったし、少し落ち着くこともできた。
それは統合失調症の薬で、僕はひどい躁鬱なだけなんだけれども。

確かにゆっくりとクエチアピンは毎日まいにち僕の思考を奪っていった。
何も考えられなくなる。
考えがまとまらならない。
普段だったら頭の中にずっと流れてくる大量の文章たちが全てモヤになって消えてしまう。
「ああ勿体ない」
だから飲むのは辞めたんだ。クエチアピンは基礎代謝を落とすし食欲増進効果もある。僕はそのせいで去年だけで痩せこけた体に16kgの肉をつけるはめになった。
僕は痩せこけた不健康な自分の身体が気に入っていたし、僕の頭の中の文章たちに会えなくなるのは酷く自分がバカになってしまった気がして嫌だった。

胃の中で暴れる薬たちと布団に顔を埋めていたら世界的ドラマーが僕と通訳を介して話してくれた。
「君はよく考えて音楽を作ってるね。あめりかのボクのスタジオに来なさい。」
不快感を抱えた胃袋が気持ち悪くて仕方ないけど変な妄想が夢になって、彼を引っ叩いてから酒を飲んでいないから、眠ることはできないけどその幻想は少し心地よかった。





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