虹ヶ咲2期2話感想/王者とは孤独
王者とは孤独なものだ。そして孤独とは自由――
そんな言葉が浮かぶ程度には、ショウ・ランジュが孤独をキメてたし、王者の風格を放っていた。
箱推しする同好会と競うことになり、炎の転校生なのにクラスメイトとの交流描写もなく、幼馴染とプライベートで遊んだ様子もなし。
それでも我が道を行く彼女の姿は強者故の孤高なのか、それとも――
今回は2話構成の前編ということなので、次回に大活躍するであろうQU4RTZのメンバーにはあまり触れずに感想を書いていこうと思う。
サンライズを叫ぶ
スーツヶ咲を無理にOPに入れず、1話冒頭のオープニング映像に採用する英断した人を本当に尊敬する。
まじで削るものないってぐらい尺限界まで映像が押し込んであるやん……
単純に虹色Passionの構成を踏襲するということはせず、押さえる部分だけを引き継いできれいに仕上げてきたのがたまらなく好きだ。
初手で幼馴染から幼馴染に映像が繋がるのが最高に良い。
そんでもって、夢ここを意識した感あるパーソナルカラー⇒個人背景への演出があるのが前作を乗り越えてきたアフター感あって好きで、
この圧倒的な最終決戦感に、
圧倒的なオールスター集合感よ……
衣装もね、すっごくよかったんだ。
ラブライブ!恒例の冬っぽい衣装なんだけど、ただそれだけではなくて『虹色Passions!』の文脈を受けついでいるのがサンライズアニメによくある機体乗り換えっぽくてすっごい好き。
メインカラーに白、装飾に金という意匠を継続してタキシードのお尻の形状を襟という形にして持ってきてると思うんだけど、素材感と全体のシルエットを変えることで雰囲気がガラッと変わっているのに感動を覚える。
下半身に高咲侑をイメージしたピアノ柄を取り入れてるのも、彼女を含めて同好会という結束感あって好き。
共通衣装は個人カラーを入れる縛りがある関係で、似合う似合わないの優劣が出ちゃいがち。しかし、この衣装はそれがないのがすごく良いのよ。
下半身が虹ヶ咲色なので、上半身にアクセントで個人カラーを入れても違和感なく溶け込む。
そして、ガンダム――
どうしてもダブルオー1期オープニングのエクシアが脳裏に過る果林先輩の回転する動き。せつ菜さんがパロディすべきなのでは?
『虹色Passions!』でエマさんがしていた横回転のリスペクトでもあり、縦回転する愛さん(DiverDiva)の対になる横回転なんだろうけど、ガンダム脳なのでこっちに関連付けてしまう。
しずくちゃんもさ、続けてオードリーだから……
ユニコーンとかクシャトリア、なんかくるって回るイメージあって動画見直したらくるくるしていたので実質の桜坂しずくでしたわ……
天王寺はサンライズなのに仮面ライダーの要素を内包しているようにしか思えない。ツナガルコネクトのときにディケイドパロディ(と思われる演出)をしていたので、どうしても関連付けてしまうのね……
子供の頃に見たコレを思い出して笑顔になる。
天王寺璃奈も英雄(ヒーロー)だと思うんですよ、わたしはね。
これは約束された勝利の幼馴染。
上原さんが百合営業する場面が多い2期だけど、やはり幼馴染の隣に幼馴染がいる構図がいちばん安心します。
孤独とは自由
マクギリス・ファリド(鉄血のオルフェンズにおける幼馴染コンビのライバル枠)は幼馴染と決別することで強くあろうとした。なら、同好会と決別したショウ・ランジュは?
3話で同好会堕ちする展開確定だぜやったああああああああ!
しお子も同好会堕ちやったぜ!
彼女が文化祭実行委員会としてスクールアイドルフェスティバルに配慮した気遣いをしてくれるのがやさし味を感じて好きです。
呼ばれればランジュのゲリラライブも見に行ったような言い回しをしていたし、ちゃんと幼馴染してるのも好きです。
同好会にスネークされるランジュ。
どこまでひとりで行動できるかの線引は人それぞれだけど、高校二年生という集団生活を強いられる時期にコレだけソロプレイをできるのはすごい。
ここでも地味にプロ意識(自己顕示欲)がでてて、SNS映えする写真を自撮りしてるのがショウ・ランジュ。そしてそれを後目に「アイスはすぐ溶けてなくなるから(どれだけ食べても)大丈夫」という草属性の人に草。
愛さんや果林先輩も一緒だったら映える自撮り写真撮ったんだろうなーと思うと「あっ」となる。ランジュがゲリラライブする側なのもね、スクスタくん……
「見に来てくれてありがとう」とお礼を言えるランジュさん。
それから速攻で「うちに来なさいよ」と、推しを家に呼ぶというという暴挙を行うランジュさん。距離感がバグっているし我が強い天才気質なので香港でも友達が少なくて孤独に慣れてしまったのだろうか。
お茶の味の違いがわかる女、近江彼方のワンシーン大好きすぎる。
エマさんの曇った顔が多いので、かすみんの顔芸だったり、こういう小ネタで雰囲気が暗くなりすぎないように配慮してくるのがこのアニメである。
ランジュの考え方として『ファンに対する責務を全うする』という感じがあるので、結果的には『ファンを大切にする』同好会とは相反しないのは納得。
金持ち描写とかみるに、高貴な家柄で『ノブレス・オブリージュ』が思想の根幹にありそうですし。
現在の表面的なランジュの主張も、チグハグになっている部分はあれど違和感なく受け入れられる。
エマさんがどこまでランジュの内面を見ていて、視聴者が見えていない心の内はどうなっているのか。お節介の行方がとっても楽しみである。
14歳がヤバい
いや、ヤバいのはぬか漬けの人ですよ。
一緒に猫の餌をやることで、好感度を上げに来ている……高咲侑がいなかったら、天王寺のときのようにグイグイいったのだろうか。
・作曲したい高咲侑/夢に向かって努力する凡人
・やはり天才宮下愛/学校中に才能を認められた個人
・自分が才能を見出したランジュ/パートナー
・流しそうめん同好会/日本を代表する食文化
ミアが囲まれている今の立ち位置がすっごくおもしろくて、これらがどう絡み合っていくのかすごく楽しみだ。
幼馴染が提供した曲を披露した上原無双に心惹かれ『高咲侑』個人を意識するようになるのか、宮下愛に本物の天才を魅せられ攻略されるのか、自分が選んだランジュがナンバーワンになのるのか、日本の文化からインスピレーションされた神曲を書き上げるのか――スクスタで彼女の物語をみていないぶん、妄想がひろがっていく。
これは本人に承諾がなくグッズが発売したヤバいシーン。
彼方ちゃんグッズを買っても彼方ちゃんまで版権料がいかずに家計を助けることができないってまじ?
これは14歳に夢中になっている愛さん離れしてしまった天王寺の「うっ」ときてしまうヤバいシーン。
これはエマさん離れできない果林さんのかわいくてヤバいシーン。
しかし、愛さんよ……これはブーメランじゃないのか?
まさか、DiverDiva結成理由もココに関係してくるのだろうか。
ここは純粋にやべぇ……ゾクゾクきた。
このあとのアカペラのシーンは重なった音がヤバすぎだしQU4RTZのハーモニーの圧は本当にヤバい。
おわりに
ニジイロ前夜祭(好評発売中)で字数の関係で削ったバエルネタもランジュのおかげで無理なく?消化できて、この雑記を書いたことに謎の満足感がある。
――今回はスクスタ20章をやっていたからこそ『こういう形で拾ってアレンジしてくるのがすごいなぁ』と楽しめた側面が強かったように感じる。
スクスタくんは他人に勧めにくいけど、やっておくとアニメが楽しくなるよとも言いたいし……複雑な心境だ。
来週は、期待値をあげまくったユニット曲の披露で楽しみすぎる。
エマさんに誘い出されたランジュは、上原さんに誘われたしお子は、愛さんにロックオンされたミアは同好会のライブを見て何を思うのか――