HADESは繰り返す日常と神々の物語をローグライトで表した良ゲーだった
2が発売されましたが1を遊んでます。これからやってみようかなって人向けにストーリーのネタバレはせずにゲームシステムや楽しみポイントをご紹介。
Hadesはどんなゲーム?
アクション性の高い、繰り返しやられる系ローグライトです。
それでも強力な永続強化もあり、あちこちで言われるように良くできたゲームバランスで自分の上達も楽しめて先に進むことができるゲームと言った位置づけ。
家出をする主人公のザグレウス、進むごとにオリュンポスの神々が力を貸してくれて、ローグライクによくある選択式の強化を取っていく形。
戦闘時のアクションは武器による通常攻撃と特殊攻撃、盾や槍、弓は通常攻撃がチャージ攻撃でもある。
大切な回避。進めて行くと回避の回数が増やせたり、ギリギリで回避することで攻撃力アップもあったり。
魔弾と言われる赤いクリスタルのようなものを敵に投げてダメージを与えたりできる。
上の動画ではない状態だけど、神々から得た助力というものも使える。区画ごとにゲージが貯まっていき、ある程度貯まったら攻撃を発動したりする。
もう1つ冥友ってのもあるけど、これは後で。
アクション性が高いので最初のうちは攻撃と回避でいっぱいいっぱいになっても、慣れてきたら魔弾を撃って戦い始めて、戦闘の終盤で助力を使う、といった感じになって来ると思う。
戦いの相棒、武器
ストーリーを進めて行くと使える武器が増えて行く。始めのうちは解放するために道中で鍵を集めておきましょう。
武器は近距離の剣、槍、盾、双拳、遠距離の弓、電磁砲の6つ。近距離遠距離で分けて書いたけど、使い方によっては中間くらいで戦うものもあったりする。
全部機を解放したあとで進めて行くと、武器1つにつき4つの態があって解放できるようになる。使う態によって戦い方が結構変わる。
武器の態は1つ目が基本形態、2つ目がそれより強そうな形態、3つ目は少し尖った、または方向性の変わった強さ、4つ目は1方向に特化して使いにくいが、組み合わせで強くなる、と言った印象。3つ目までは慣れてくるとより強く感じられるけど、4つ目はかなり難しくゲーム自体に慣れていないとやられる方が多い印象。
弓を例にとってみるとこんな感じ。弓は立った状態でのチャージよりダッシュ後にチャージすると貯まるのが少し速くなる。
1つ目の態:チャージ時間によってダメージが変わる通常攻撃と広範囲に数本の弓を撃つ特殊攻撃
2つ目の態:通常攻撃が当たった敵にターゲットがついて、特殊攻撃の数本の矢が全部その敵に向かって飛ぶ。ダッシュ、チャージ、特殊攻撃、と言った流れにすると強い。
3つ目の態:矢に魔弾を込めて一緒に撃てる。質素な印象だけど、単発で魔弾撃つ隙がなくなり、通常攻撃と一緒に魔弾を飛ばして矢が当たったら魔弾の効果が発動する。功徳と組み合わせると強い。
4つ目の態:特殊攻撃が1方向だけに数本撃ち、敵に当たると拡散する。通常攻撃はチャージが遅いが特殊攻撃が当たった敵に追加ダメージを与える。特殊攻撃を撃ってから通常攻撃を当てることで、複数の敵に追加ダメージをどんどん与えて行く。
武器の特徴を考えて、戦い方を考えて、実際に戦いながら動いて試す。アクションゲームならではの考え方ができて良い。価値観の転換を通して武器を使いこなす的な。
武器の解放時とさらに強化するためにティタンの血が必要。ティタンの血は1面と4面でボスを倒すともらえるけど初回クリア報酬と言う位置づけ。10回クリアするとより難易度を上げて挑めるようになってその難易度ごとにまた初回報酬としてもらえるようになる。
ある程度進めるとこんな感じで自分の使った武器の回数を見たりできるようになる。クリア回数で見ると電磁砲、次に盾ってのが使いやすい印象。
ある程度進めると今まで使った武器の記録が見られる。
ちなみに電磁砲のリロードは立ったままリロードするとその場で動けないけど、歩きながらリロードすると歩き続けられます。
功徳
功徳(くどく)という形で力を貸してくれるのは9人のオリュンポスの神々。ローグライトのメインシステムの1つでこの組み合わせで戦い方や強さが変わる。
複数の敵に攻撃を当てやすいゼウス、吹き飛ばしが強力なポセイドン、移動に関するヘルメスなどそれぞれ特色がある。
武器によっては特殊攻撃をすると会心率が上がるものがあるので、会心攻撃が得意なアルテミスの功徳も組み合わせて会心攻撃メインにしたり、といったビルドもあり。
オリュンポスの神々の他に原初の神であるカオスも協力してくれる。ただし、3回戦闘が終わるまで移動距離がマイナス48%だったり、魔弾を撃つとHP-4だったり結構痛い。その分、通常攻撃ダメージがプラス50%アップなど強力。
カオスのこの画面が見たい人は別ですが、そうじゃないなら気を付けましょう。
賜物と冥友
オリュンポスの神々やそこらじゅうのキャラクターにネクタルをあげまくりましょう。親密度が上がると賜物がもらえます。
賜物は装備した状態で戦闘を続けるとランク3まで強化できて、最終的にかなり強くなる。最初は巣の状態でザグレウスのHPは50で始まるけど、ケルベロスからもらった賜物を付けるとHP100で開始できる!
家出する前に選択できるこの画面を見ると、親密度を最大まで上げて絆を結んだキャラクターの賜物には可愛いアイコンが付きます。
下の1列が冥友で親密度を上げて行くとこれももらえるようになります。
戦闘中に使えるアクションの1つでおとりを呼び出してしばらくは敵のターゲットを一手に引き受けてくれたり大ダメージを与えたりしてくれるもの。3面クリアでもらえるアンブロシアを使って家出1回につき何回使えるという回数を増やすことができる。魔弾や助力だけでなく忘れずに使っておきたいもの。
ステージ数とプレイ時間
ステージ数は毎回固定ではない感じ。道中にお店があったり、最後の4面はランダムで変わるので運が悪いとこんなにステージ数が違ってた。大体このくらいってイメージで良いので、ボスに備えてHP回復などしておくのが家出上級者への道。
1面:13-15区画、タルタロス
2面:24-25、アスポデロス
3面:35、エリュシオン
4面:45-72、ステュクス神殿
プレイ時間はまったり考えながらクリアまで進めると1時間超え。でも最初のうちはクリアできないのですぐ終わったりしちゃう。難易度を上げなければ慣れたらガンガン進めて50分くらいという印象。
Hadesのゲームバランスとしては回復手段が限られているのでいかにダメージを受けずに最後のボスを倒すかになってくるはず。安全に慎重に回避をするって戦い方になるともっと時間はかかることもあるのかも。
冥夜の鏡で永続強化
ローグライトならではの永続強化。道中で得た闇の結晶を使うことで強化ができる。どのくらいの強化かというと、最終的にHP50スタートのところ、100スタートにできたり、無傷の敵を攻撃する時に75%ダメージアップなどかなり強力。
それぞれの項目2つずつあって切り替えることができる。人によってはこちらの方が戦いやすいってものも出て競うで、面白いポイント。
闇の渇望という効果があって、武器選択時に紫に光っている武器を使うと得られる闇の結晶が20%アップする。闇の結晶集めを考えるなら途中で拾う少しのものより、ボスを2回目以降に倒した時にもらえる結晶が大きい。初回報酬をもらってしまったら、次からは闇の結晶がもらえる。
本格的な闇の結晶集めがしたい時が出てくるんだけど、カオスで77%UPするものを選んでポセイドンの功徳で55%UPして一度クリアしたことのある形で進めると2面で254、3面ボス384、4面で635ももらえた。いつもは2面120、3面180、4面300くらいだったかな。1面は忘れました。
強化できる項目は上の写真のように鍵を使うことでもっと解放できる。武器解放のために鍵を使ったり、先に強化のためにこちらで鍵を使ったり、最初のうちは鍵がたくさん欲しくなる。
釣りもあるよ
最初は全然タイミングがわからなかった釣り。
PS4コントローラだと余計な時に振動するけど、釣り上げる瞬間は光の柱が登った瞬間。振動は一切無視しましょう。
ステージごとに釣りポイントが出たり出なかったり。戦闘が終わった瞬間にキラーン!って音がしたら釣りポイントありなので探しましょう。帰ったら釣った魚を料理長に渡すことで報酬がもらえてこれが結構お得。
預言書
実績とは別にゲーム内で預言と言われるものがたくさんある。
最初の脱出が成功した時やストーリーを進めた時に達成になって報酬がもらえる。ものによってはティタンの血がもらえたりする。家出する前に見られるけど、進めている時でもこんな感じで預言書マークが功徳にでるものもある。まだ使ったことが無いと表示されて、全部使うと達成という予言だったと思う。使ったことが無いものは強い可能性もあるので、どんどん使っていくのが良い家出かも。
Hadesのクリア
ローグライトで繰り返し楽しむのがHadesの楽しみ方なので段階的に書いておきます。
まずは4面の最後までクリアして脱出するところ。49.8%の人が達成してて自分の場合は28.3時間。それまでに冥夜の鏡で結構強化してる。
次が一応のクリアになるメインクエストクリアで10回脱出すること。
How Long Beatを見ると大体23時間くらいでメインクエストくらいしてるみたい。
もしかするとメインクエストを一直線に目指すなら好きな武器を決めて全力強化してるのかも。自分の場合はまだ使ってない武器の態は使いたいし、闇の結晶での強化も途中なので毎回闇の渇望が発動する武器を選んでるし。
ただ、その後もストーリーは残ってて、エピローグがちゃんとある。
ここまででまったり95時間遊んでるけどまだエピローグは見れてないですケド。
実績見て気づいたけど、Hades2が発売されたからか、1を遊ぶ人が増えてるのかもしれないですね。
自分が達成した中で一番少ない達成率の実績が全部の武器の態を解放する9.9%だったけど、今日見たら9.4%に下がってた。
ちなみに一番達成率が少ない実績は5.9%なので、興味がある人は狙ってみてください。
クリアできる確率を上げるためのポイント
クリアできなくても何かしら強化できたるするだろうけど、やっぱりクリアできる方が良いと思うので、参考になりそうな情報をあげておきます。
面白かったのはここがPlayStationのサイトだということ。ゲーム的には永続強化を用意しているからねってことを忘れないように教えてくれる。
かなりやりこんでいる人の情報といった印象で何回かプレイしたけど、実感として得るにはまだ経験が足りないのかな?と思うくらい濃い情報といった感じ。宮本武蔵からいきなり助言を得た、みたいな。
他に自分の観点ではこんな感じ。
ある程度慣れてきたらクリアするための動き方をする。最初は敵の動きがわからず連打プレイになりがち。連打は最大数の行動ではあるけど、敵のダメージを受ける確率は高い。安全に進めるのがクリアの確率が上がります。
大抵の敵は攻撃モーションに入ったら方向転換しない。相手の動きを見えて動くということだけど、攻撃しようとしたら横か後ろから攻撃しましょう。
ダッシュはギリギリなら無敵時間がある。なんとなくで回避すると回避したのにダメージを受けたってなるけど、ギリギリならちゃんと無敵時間はある。
目の前の敵、敵の攻撃、トラップの場所、武器ごとの攻撃方法、魔弾、助力、遠くからの敵の攻撃、画面を広く見渡すようにするのが安全。1体1の戦いではなく、大抵が1対多の戦い。
アクションゲームなので音ゲーとも同じだけど、寝不足だと一度に注意を向けられるものが少なくなっちゃうのでガチでやるなら睡眠大事。ちゃんと寝れてると嘘みたいにクリアできたりするし、寝不足だと嘘みたいにやられる。
なんとなく最近感じた点として、寝不足だと解決策や対策を思いつきにくいように感じる。そうすると「あそこであれを選択すればよかった」という考えが浮かびにくく「またやられちゃった。最近やられてばかりだな」というような思考になりやすく、結果として飽きやすいかもしれない。そこまで続けた経験値がちゃんとあって、強化した鏡の効果もあるのにね、不思議ふしぎ。
実力や経験って見えにくいので、わかりにくいんだけど、それでもやっぱりザグレウス経験値はあなたの中に貯まってる。安心してやりたいように今日も家出しましょう。
続けて楽しめるローグライトとして
ここからは読み物成分多め。
ローグライトとしてのHadesの楽しさは毎回違った状況で戦うこと。前回とは違った戦い方ができて、そこまでに学んだすべてをかけて運に抗うこと。複数ある武器と態の中から1つ選ぶことでメインの攻撃方法を選択して、功徳を選択することでその攻撃や回避の動き方や強さを選ぶ。
Hadesのゲームシステムが良くできてると感じられたのは、おそらく段階ごとに考えるべきことが用意されているってところだと思う。
最初の武器の選択、道中の功徳の選択、目の前の敵の動きや避けるべき罠の場所、戦闘が終わったら次のマップでもらえる功徳などの選択、カオスに強いられる戦い方、どれも小さくないアクションの変化。
もらった功徳によって魔弾メインでの戦い方が強くなったり、通常攻撃のチャージ時間が短縮されたり、もうチャージ無しになったり。功徳は9人の神々がくれるけど、数もちょうど良い。装備する賜物によって出やすくできたり、鏡でレア度を上げたりできるので、自分の好みのビルドを狙いやすい。数もバランスも良くできてる。二人の神の特定の功徳を持っていると出てくるデュオってレア度の功徳も強い。
段階ごとに考えるべきこと=課題があればその時その時目の前に集中するから同じと感じず飽きにくい。
そしてローグライトで良く言われるであろうものも当然あって、新しい武器を解放したら当然使いたくなるので、一回終わった状態でもまた遊びたくなる。または新しい功徳の組み合わせを思いついて、もう一週、など。
ストーリーの中にしっかりとザグレウスが生きていると感じられることもあって、出会う旅にオリュンポスの神々やキャラクターとは毎回違う会話をする。
家出に挑戦した回数を覚えているディオニソス。酔っても記憶が残っているってすごい(え、違う?)。
数値化しにくい実力や上達について(本当かどうかはわからないけど)褒めてくれるアルテミス。「ありがとう、好き」ってなる。(感覚は人によります)
やられて帰ったら宮大工に依頼して改装することで見た目も少しずつ変えられる。いつも帰る家の装いが新しく、ちょっとした変化が新鮮さをもたらす。
Hadesのもやっとした点
あくまでもゲームを10回以上クリアしている自分の観点なので、そこまで行ってない人には全然関係ない可能性がある話かもしれません。なんというか達成度が10%を切る実績を達成したい人の観点というか。あと高難易度が好きでヒリ付くような戦いが好きな人はどんどん難易度も上げていって周回が重なるはずなのでこの観点でもやっとすることは無い可能性はあります。
今後は達成したい実績でもあるエピローグを見たいところですが、神々との親密度があげられていない状態。鍵マークがついて何かしらのイベント発生が必要な状態。
Hadesはゲームバランスが良くできていて、気づかぬうちに進みやすくなっていたりする。鏡の強化なんてあって当たり前になってるけど、たぶんなくなったらかなり厳しい。それでいて上達も確かにあっていつの間にかできるようになっていることもある。
至れり尽くせりに感じられるくらい良くしてくれるけど、状態がわかりにくいかもしれない。さっきの神々との親密度の解放イベントはどうやったら発生するのかわからない。どのサイトを見ても「繰り返し会話する」と書いてあったりする。何回会話するの?難易度上げないとダメ?何面で出るみたいな条件はあるの?といった疑問が浮かんでくるけど、どこにも書かれていないので、ゲーム内の隠しフラグがあるんだと思う。
そうするとあと何回プレイすれば良いのか、難易度は上げたほうが良いのか、どうやったら目的(エピローグ見る)を達成できるのか全然わからない。方法がわからないので、解決策がわからない。いや、わかっているのは周回することなんだろうけど1周1時間として仮に10周必要だとすると10時間かかる計算で、そうすると他のゲーム1本クリアできる時間でもあるよねっていう。
クリア時間が投票されてるHow Long Beatでは一般的に完全クリアが95時間半と言われていて、でも自分の場合はより時間がかかっているのはわかるけど、一番遅い時間は542時間とか書いてあるんですけどっていう。
欲しい目的のためのコスト(時間)が見えなくなったので今後は細く長く遊ぶようにしようと思います。8.3%の人だけが達成した実績が欲しいという話なので。
そういえば敵を1万体倒したら進められるっていうものがあったけど、それができたのも2万以上倒してからだった気がします。運もあるんでしょうけど、ちょっともやっとしますね。
そういえば何をしたら出たのかわからないけど、テーマというものもあるようです。メニューなどの見た目を変えられるというもの。かなり大量の素材が必要ですけど、雰囲気が一気に変わりそうなのでちょっと欲しい。
他にも一部の人しかやっていなさそうな要素で昇進というものもある。これはゲーム的に強くなったりするものじゃないって説明だったと思う。かなりやりこんで色々余っている人が使うという位置づけのよう。
と言う感じで色々書いたけど完全クリアまでを見通して考えると必要な周回数が多くないかなって話。繰り返し遊べるゲームであって「無限に遊べる」というのはゲームを買う時には惹かれるポイントではあるけど、全実績達成という目的から考えると必要コストがでかすぎるわけで。
気になったのでHow Long BeatでHadesとHades IIを比べてみたら興味深い数字でした。もちろん2がサプライズリリースだったのでまだ多くの人が遊んでいない状態の可能性はあるので、全体平均ではないでしょうけど。
要するにメインストーリーまでの時間も完全クリアまでの時間も大幅に減っているということ。
ゲームとしてはストーリーを楽しむってのもあるはずで、エピローグであってもストーリーの一部だと思うんですけど、達成度が想像以上に低かったから改善されたって可能性があるんじゃないかなと勝手に思ってます。
ゴールデンウィークが終わって新しく楽しそうなゲームがたくさん出てきたので目移りし始めたのももやっとした点をより感じやすくなった要因かもしれないですが。
ローグライトでやられるということ
ローグライトで途中で終了するのは当たり前と言う考えに至るのは日常生活の延長でゲームを捉えると結構難しいなと思ってます。なのでHadesを楽しむうえでやられて途中で帰るということのメリットなどについて考えてみます。疲れていると頭から抜け落ちるので自分向けにも言ってますし、より多くの人がローグライトの魅力を知ってくれると嬉しいなという気持ちもあります。
前提としてローグライトは運要素があるので、よくテーブルゲームやカードゲーム、ボードゲームなどに例えられることがあるかもしれません。それではみんなでゲームがやりたいからとカードゲームをやろうとしたときに、対戦相手が「世界一の記憶力保持者」と「確率、統計の第一人者」と「プロカードゲーマー」だったらやりますか?やらないですよね。少なくとも勝てる見込みも無いとやらないと思います。それは勝てるかもしれないという感覚だったり確率だったりで少なくとも勝てることもありそうだからやってみようかなと思える。ゲーム中に楽しいのはもちろんだけど、できるなら勝ちたい、という気持ちがあるはず。なぜならゲーム中には勝つための手段、高得点を取る選択肢をとっているはずだから。
それじゃ逆に絶対に勝ちたいと思ったら、例えば大人だったら子供と遊ぶ、そのゲームのジャンル経験が少ない人と遊ぶなどが考えられそうですが、それもたぶんやらないんじゃないでしょうか。勝率が高すぎてもつまらなくなる可能性があるから。
楽しさと直接つながるかは微妙ですが、全身で集中しているというフロー状態はその人にとってちょっと難しいというレベルの時に入りやすいと言われます。上手に頑張れたり、運が良ければ勝てるくらい。
Hadesは一回目のクリアまでに闇の結晶で永続強化していくことでクリアが近づく、一回クリアした後も強化を続けてクリアの回数が増える。気づけば慣れてきているのでさらにクリア回数が増えていく。その後は徐々に難易度を上げる流れになるので、その人にとっての適度なレベルでフローに入りやすいちょうど良い少し上の難易度で集中もしやすいようになる。さらに慣れて行って難易度と共に成長していく流れ。そこに運要素がからんでくるので微妙にちょっと上やちょっと下にもなりえるのが楽しいところ。
ゲームは一概に勝ち負け、クリア失敗だけでないですが、それでもクリアできないのはマイナスに感じられてしまうことがある。それは恐らくクリアするよりも失敗した方が得られるものが少ないという考えがありそう。
最初に日常生活の延長で、と言ったのは一般的に仕事や勉強で失敗する方がデメリットがあるから。テストの点が低ければ親から小言を言われたり、受験に失敗すれば本命とは違う選択肢を取る必要があるかもしれない。仕事で失敗したら次はチャンスがもらえないかもしれない。そもそも日本社会が失敗に寛容ではないという見方もあるようですね。以前に比べて転職などについての見方は緩やかになってきているものもあるようですが。
でもHadesはゲーム。ゲームでは何でもできる!現実世界では失敗することを恐れるあまり、それが活力になって頑張れる人もいるかもしれないけど、もし怖くなってチャンスがあっても手が出ないという人はリハビリや修行の一環としても活かせるかもしれない。クリアできなくてもゲームだから自分は全然痛くも無いし、すぐに次の回を始められちゃう。
それではやられる、失敗することのメリットはという話になると、何かしらか得られたことがあるのでは、という点に気づきましょうという話。
安全に進めようとすると強敵のマップは避けたり、お店に通って戦いを減らす方向を選ぶかもしれない。だけど必ず強敵がいるマップに行けばリスクはあるけど得られるものは多いというマップが多々出てくる。最初のうちはすぐやられるといった意味で本当にリスクかもしれないけど、慣れるとHPが1割から2割減るくらいといったレベルのリスクに小さくなってくる。そうすると逆にそっちを選択した方が強くなれる。ハイリスクハイリターンだったものが慣れてくることでロウリスクハイリターンになってくる。途中で負ける可能性はあるかもしれないけど、慣れてくるとリスクを取った方がより爽快になる、そういった体験を味わえる。むしろ逆に負けても良いから全部リスクを取ろうって進め方をするとまた違った世界が見えてくる。
全力でクリアを意識して一戦一戦を戦ってると忘れがちなんだけど、ローグライトなのでやられて当たり前というゲームシステムになってる。Hadesでは連戦何回って数字も出たりするけどあまりクリアが順調にできているとストーリーが進むのが遅くなる。誰かにあげるためのネクタルが貯まり過ぎて使えてなかったってなったりするので適度にやられるのがちょうど良いという考えもあった方が良いです。77周回挑戦して95時間遊んでもエピローグが見れないくらいなので。
アクション系では他にハクスラのジャンルなどを見ると、ガンガン強化してリセットされることがないのはある程度は楽しいけど、無限に強化することはできないのでほぼ意味をなさなくなってそうなレベルがあったり次の高みが遠過ぎるものがあったかもしれないけど、Hadesは1時間くらいで明らかにわかる強さを得てどんどん強くなれてアクションも変わる。終わっても永続強化がある。家出に失敗するたびにより多くの功徳の組み合わせが味わえる。功徳を1つ取る度に劇的に変わる体験をより多くできる。リセットされるからこそ、1つ1つの功徳の強さが毎回実感できるわけです。
勉強でもなんでも上手になるには繰り返しが必要ですが、Hadesで途中に苦手なキャラがいても繰り返し戦うことで慣れていき、いつしか普通に倒せるようになる。繰り返し回数が多い方がより多く体験できて成長できる。気づいたら1面や2面のボスで苦戦していたのが嘘みたいになって、繰り返しで自分もちゃんと上達するんだってことを実感できます。
武器は使いやすい使いにくいってものがあるところからスタートするかもしれないけど、闇の結晶集めで渇望が発動するものを毎回選んでいると、1時間くらいずーっとその武器で戦っているので武器の使い方に慣れて行く、そうして気づいたらその武器でもクリアできるようになってる。逆に見ればその武器でのクリアに必要な上達具合になっているということ。
途中まで進めるとある程度強化ができて来て、次はあの辺の功徳が欲しい、この武器だとアーマー系の敵が厳しい、などと思うことがあるかもしれません。ちょうど現実世界で学校や仕事がある程度慣れてこうなったら嬉しい未来と課題が見えてきたあたり。そんなところで失敗はしたくない、ここまで得たものを手放したくないという思いもあるかしれないし、一向に改善できない課題が残っていると会社を辞めたくなったりするかもしれません。Hadesではやられた瞬間にすべての肩の荷や得たものが失われます。すっきりします。なんだか病みつきになりそうな爽快感すら味わえます。色々嫌になって坊主にしたって人がいたり、色々あったから会社を辞めたって人がいたり、そういった感覚を想像ではなく、普通にゲームで体験できちゃいます。それでも経験や知識だけはちゃんと蓄積されていく。これってマンガによくある転生ものと同じ体験ができるということ。「うっそ!?私もう77回も転生してる!」って具合。
日本人は感情表現が苦手と言う話はどこかしらかで聞いたことがあると思いますが、何か良いことがあれば大きくガッツポーズをすると良いってことを聞いたことがあります。体と感情のアンバランスになった状態から体の動きに引っ張られて嬉しさを感じられるという状況。逆にやられたーってなっても落ち込んだりせずにすぐに次の回を始めるともう目の前の戦いに集中できちゃう。戦いが一段落したら脳が暇になって直前の失敗したという事象を過剰に大きくとらえてしまっている可能性があるかもしれません。対策を思いついたらすぐ次の家出を初めて、思いつかなかったら疲れてるかもしれないので寝ましょう。
結局のところ、繰り返しによって得られるものがあり成長していく。クリアしても失敗しても家に帰るのでそれが少し早いか遅いかの違い。重くとらえずにまた明日遊んでみましょう。一晩寝るだけで脳内で勝手に整理されて、驚くほど普通に通過できるようになってたりします。
Hadesの世界をもっと楽しむ
ネタバレもあるので全員におすすめできないのが残念ですが、この動画シリーズがかなり楽しいです。スタッフロールが流れたりするので少なくとも10回クリアするまでは見ない方がよいです。全4回で最初が40分、あとは30分ずつくらい。
こんな話が出てくるので、よりHadesの世界を楽しむことができます。普通に笑えたりする。
ハデスは地下の王なのでお金持ち
シシュポスは優しそうな顔で2回も神を騙した話が笑える
武器は槍がメインで木、剣は危ない時に使う。槍は木なので使い捨てのイメージ。そういう意味で伝説の装備という意味では盾や甲冑の方が盛り上がるとか
アダマントは砕けないもの、という意味でダイヤモンドを指すことが多い
ミノタウロスは固有名詞ではなくミノスの牛という意味だから、Hadesではキャラ名が違っている
上の動画も見るとかなりしっかり伝承に基づいた世界観になっていたりして、ギリシャ神話も身近に感じられるHadesなので良かったら遊んでみてください。
神々の話なので毎回死んで戻るといった表現ですが、なんというか出かけて色んなキャラと会話して帰ってくる、1人の(神の)日常が表現されたという印象で、それをうまくローグライトとつなげた感じを味わえる良いゲームです。Reventureのような印象。
「ただいまー」
「いってきまーす」
では、またギリシャで会いましょう。
それじゃ、またねーノシ
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