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鳥嫌いですが実はBLA3級の認定を受けてます

バードライフアドバイザーという講座があり、実はこの講座を私は一昨年受けている。

バードライフアドバイザーとは、認定NPO法人TSUBASAが主催するフィンチ・インコ・オウムに特化した鳥とその飼い主となる人のための講座を受けて認定される資格である。

なぜ講座を受けることにしたのか

鳥嫌いの私がなぜそのような講座を受けようとしたのか。
まずは望んではいなかったが、やむを得ず同居することになったマメルリハ・シャルについて観察して考えさせられることは多いが、記事を書き始めるにあたり、専門家から一度きちんと学んでみようと思ったためだ。

私と違い、鳥が好きな母の知識と独学によるところからシャルに接してきたが、鳥嫌いでも嫌いなりに観察して記録してそれを公開する以上、間違ったことを書いてしまわないように一定の正しい知識や理解は必要だ。

もう一つは、鳥に関する地元の情報を手に入れるためだ。
おそらくこの講座にお金を払って参加する人たちは実際に飼育している愛鳥家も多いはず(私のような奇特な鳥嫌いもいるが)。
近隣にしっかり鳥を診察できる病院等が見当たらなかったので、もしもの時のために情報がほしかった。

この講座に私は母(シャルの世話係)と参加した。
愛鳥家たちと私は間違いなく話が合わない
そして鳥嫌いとバレた時の言い訳が難しい。
真の身近な鳥好きが必要だった。

でも、母も専門家からお話を聞けるせっかくの機会だから、と付き合ってくれた。

講座開始前

会場に比較的早めに到着した私たちは好みの席(一番後ろ)を確保。
席数的に最終的に参加者は15人くらいだろうか。
早めに来ていた人たちの会話が聞こえてくる。
さっそく鳥を診療する病院の名前をゲット。スマホでググりブックマーク。

参加者は当たり前だが、やはり鳥好きの方々。
セキセイインコと文鳥を合計7羽飼っている方。冬は各ケージにヒーターを取り付けているから光熱費がすごくかかるらしい。
ペットシッター(小鳥の一時預かり)をしていると名刺を配る方。
なるほど、営業も兼ねて来ているのか。
鳥は扱っていない動物病院の看護師だという方。
会話をしていない人たちも持ち物から鳥好きがうかがえる。
スマホケースがオカメインコ。
ペンケースがセキセイインコ。

そんな中の一人が急に私にどんな鳥を飼っているか聞いてきた!
こういう時のために母を同伴したのに、困ったことに母は展示されている鳥の本を観に行ってしまった!!
「マメルリハを飼ってます」
「あの小さいコですよね~一度〇〇(店名)で見たことあります~」
「(話を合わせなきゃな・・)そちらは何を」
「去年までオカメインコを・・19歳でした」
「長生きしましたね~」
「いえ、38歳のがいますから半分しか生きてませんよ」
「そんなのがいるんですね~」
「・・・・・」

まずい。知識浅くて本質的に興味が薄めなのがバレる。
そんなところでNHKの「ダーウィンが来た」セキセイインコ編がスクリーンに映しだされた。
おかげで正体がバレずに周りの皆さんの興味がそちらに移行した。

オーストラリアの野生のセキセイインコの映像だ。
群れで飛び回っている様子が映っている(ちなみに私にはヒッチコック風映像)。思わず顔を背けたらそんな私を見て母が笑っている。

そして番組内でインコのにおいが、良いにおいという話になった。
たまに愛鳥家から聞くが、私にとってはシャルを含め歴代インコたちのにおいは決して好きではない。
世界的ソムリエに分析させている・・・!!「ナッツ系の香り」とおっしゃってる。

自分で来ておいてなんだが、講座開始前にいろいろ精神的にノックアウトされそうだった。

講座開始

いよいよ講座が始まった。TSUBASAの設立者自ら講師をされる。最初に愛鳥家同士の交流を、ということで3人1組で自己紹介等をしましょうとなった(愛鳥家ではない私も含む)。

ほんとうに母連れてきて良かった・・・鳥に関して何も語れないから!
シャルと暮らさざるを得なくなって現在に至ることを簡単に説明し、母へバトンタッチ。母は、かつてにわとりやチャボを飼っていたという方と楽しそうにしゃべっている。(母も白色レグホン飼育歴あり)

交流が終わったら本題である。まず、バードライフアドバイザーの目的についての説明。この講座を通じて認定資格者数を1万人にする、という具体的目標があるそうだ。数年前から鳥ブームで鳥類の飼育者やグッズが増えたものの、ペットの鳥に対する正しい知識や考え方が普及しないままのため、鳥や飼い主にとって決して良い環境とは言い難い世の中を変えていきたい。
そのために啓蒙活動としてペットの鳥と人の良好な関係の構築について理解しているバードライフアドバイザー認定資格者を増やし、一人ひとりを業界変革の担い手にしたいそうだ。

とても理にかなっている。活動として目標・目的も明確で目指し続けるゴールは幸せな未来しかない。たしかに犬や猫に比べると鳥を飼っている人は少ないし、世にある情報も正しいかどか疑わしいことがある。正しい知識(その時点で鳥にとって最良とされること)と考え方を学んだ人を増やしていけば、世の中の常識も変わっていくというのだ。

ちなみに6/15はオウムとインコの日として最初に言い始めたのはこのNPO法人のTSUBASAだそうだ。「06」がオウム「15」はインコの語呂合わせである。

その後の具体的かつ詳細な講座内容については控えさせていただく。ぜひ愛鳥家であれば講座を受けて学んでいただきたい。
私と同族でもし興味を持ってしまった奇特な方がいたら、活動に敬意をもって参加してもらいたい。

講座中の感想

ここからは私の講義参加中の要所要所での感想である。

①なぜ飼い鳥たちはしゃべったり、歌ったりするのかについて。
終わらないミッキーマウスマーチのメロディーを口ずさむオカメインコの動画・・・私は動物は嫌いだけど、ディズニーキャラクター、特にミッキーマウスが大好きなので若干好感を覚えた。シャルもこれができたらもっとかわいがるのに。

②鳥の健康状態を知るための排泄物についての講義。
これでもかと鳥の排泄物画像を観ることに。そうですよね、必要ですよね、大事ですよね、と頭ではわかっているが鳥嫌いには修行の時間だった。

しかし、愛鳥家の皆様はすごかった。みんなスライドの排泄物画像をスマホでパシャパシャ撮影してる!!!あれか、乳児の出したものを母親が何とも思わないあれみたいな感じなのだろうか?

マッチョな男性が好みではない私だが、数年前に筋トレが趣味の同僚が出るのでフィジークとボディビルの大会を社会勉強がてら、ほかの同僚たちと観に行ったことがある。その時と同じ気持ちになった。「もう一生分筋肉(鳥の排泄物)見た・・・・・」

え?鳥病院で診てもらう時の参考に排泄物の画像を撮って持っていくといい?なるほど、病院に私は行けないけど覚えておこうと思った。

さて、この鳥嫌いの精神がこれでもかと試されている間、母によれば私はかなり微妙な顔をしていたらしい。

先生すみませんでした。
でもこのスライドの必要性についてはよく理解できているつもりです。
もしシャルがあんな糞やこんな糞をしたらどうしたらいいか学びました。
それは信じてください。

でも、ここであからさまに嫌がったら鳥嫌いとバレる、戦時中に非国民扱いされるような事態は避けたい一心で耐えていたが母にはバレていた。

休み時間

愛鳥家同士が楽しそうにしゃべっている。人は好きなものの話をすると声が大きくなる。隣同士で鳥グッズの見せ合いが起こっている。ディズニーガチ勢同士が互いの持つ秀逸な厳選グッズを見てほめたり情報収集したりするやつだな、なるほど。

おっと急にこっちに振られた!母がスマホケースのカード入れにしのばせていたインコ類の絵が載ったカード状の鏡(とっさに身だしなみを整えたい時用・100円ショップ)を出した。

「かわいい!」と黄色い声。一昨日たまたま見かけたのをプレゼントしておいて良かった・・・・

講義再開

全体を通すと「要点はほぼ人間のこどもの育児と同じ」という印象だった。鳥とよく向き合って、その個性(習性含む)を尊重しなさいと。

大筋で母の考え方(我が子もマメルリハもそれぞれの性質に合った養育と教育をした)が近くもあったので、彼女も参加して良かったようだ。

NPO法人TSUBASAの活動に一般家庭や被災地で飼えなくなった鳥を保護し、里親とマッチングするものがある。その中のエピソードで高齢女性にきちんと世話された年齢40代の大型インコ(平均寿命80歳・鳥の種類忘却)が、
単身世帯の飼い主が自宅で亡くなって警察が来た時に、そのインコが立ちはだかり警察が手に負えずTSUBASAに助けを求めてきたという。
想像だけで泣く。

BLA2級の資格者はきちんと飼えなくなった鳥の保護(レスキュー)をするので、3級よりも内容の濃い2日間の講座を受けなくてはならないそうだ。
よりきちんと鳥のケアをするために必要な知識を身につけて、この世に不幸な飼い鳥がいなくなるようにする重要な担い手と思う。有資格者を全国に増やせば、より助かる鳥が増えるという構想。
私はできないけれど、すごい。

この講座を受けて、思った事は「これからきちんとシャルの目を見て話しかけざるを得ない。」ということ。数分だけでも。ただの同居人でもそのくらいは意識してもいいのかなと。(その後シャルは私の帰宅前に寝るようになったので、毎日はできていない)

鳥嫌いにすらこんなことを考えさせる講座だった。こうして鳥嫌いは講座の最後にテストを受けて、後日認定証をいただいたのだった。

マメルリハと同居しなかったら、この講座を受けることはなかっただろう。貴重な体験だった。

※この記事を投稿するにあたり、認定NPO法人TSUBASAの松本さま(設立者であり講師の方)に内容の確認をいただいております。ご多忙の折、ご協力いただき誠にありがとうございました。

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稲生瀬鴉(いのうせあ)
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