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オカルトと都市伝説の庭で「UFO」を考える

◇ 約5,000文字

 例えば、上空に国籍や用途が不明の気球のような物体が浮かんでいたとすると、それは未確認飛行物体(UFO)ということになる。だが、「UFOって見たことある?」と聴かれて、そんな気球を見たことを説明しても相手は顔をしかめるだけだろう。今回は、王道であるところのUFOという存在について考えてみたい。


”彼ら”はどこから来ているのか?

 いきなり、記憶があいまいなトピックから始めるが、「アメリカ人は500人に1人くらいの割合で『自分はUFOにアブダクション(誘拐)されたことがある』と答える」と聴いたことがある。実際には、そういった再現映像を観てから同じような夢を見ると、あたかも自分が体験したように錯覚する類ではないかと思う。そうでなければ、アメリカの上空はアブダクションが目的のUFOで、連日連夜の大混雑だ。

 錯覚なのかは検証のしようもないが、アメリカではUFOや宇宙人という存在が日本より身近であることは間違いないだろう。しかし、UFOが存在したとして、お約束の「目の大きい灰色の宇宙人」が乗っているUFOばかりとも限らないのである。
 以下に、考えられるUFOの発生源について列記してゆくが、毎度、UFOの存在を仮定する言い回しは面倒なので、社会通念は別にして「UFOは存在する」という前提で書かせてもらいたい。

 最初に投稿した「地底人を」考える(コチラ)では、地底に存在する高度な文明社会を考察した。その地底人が移動手段に使うUFO―①が存在するだろう。そして、地底世界ともつながりのあったナチスが極秘に開発した攻撃型UFO―②が存在した。さらに、戦後にナチスから米国へ流出した技術によって製造されたUFO(VZ-9 Avrocar系)―③、墜落回収したUFOをリバースエンジニアリングしたり、異星人から供与された技術による米国産のUFO(TR-3B系)―④も存在する。また、地球に生息している未来の人類(ヒューマノイド)が過去へと訪問する移動手段のUFO―⑤もあるだろう。太陽系の他の惑星から飛来するUFO―⑥があり、太陽系の外あるいは異なる銀河系から飛来するUFO―⑦の存在がある。

 ざっくり想像してみても、これくらいのUFOに分類できるだろう。そして、いわゆる大きな黒い目のグレイが乗っている可能性が高い⑦のUFOは、それほど多くは地球上に来ていないと言われる。
 来訪の目的は友好的なコンタクトではなく、過去の重大な出来事を観察しているとか、地底に行くついでに立ち寄っているとか、我々の生態を観察するためのマイクロチップを埋め込んでみたり、生殖のメカニズムを研究したり、などである。(密約があるかは判らないが)表向きの彼らの活動から察するに、人類を対等な存在と見なしているとは到底、思えない。

 SF作品のスタートレックでは、地球人(ゼフラム・コクレーン)が開発した宇宙船がワープドライブを成功させて初めて、異星人が他の惑星から祝福する目的で地球上に降り立つシーンがある。いわゆる表敬訪問だ。
 おそらく現在の地球の科学レベルでは、他の惑星からやってくる動機は多くないように思える。そのようなコンタクトが訪れるのは、スタートレックのようにワープ航法を実現するか、あるいは4次元以上の空間を認識した以降なのか、いよいよ地球が滅亡の淵に立たされる時なのかは判らないが、現在の我々にはチラチラと姿が見え隠れする程度の関係性である。


UFOは円盤だけじゃない

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 ひと口にUFOといっても、様ざまな形状がある。円盤型、アダムスキー型、葉巻型、トライアングル型、さらに菱形や球体などの形状が思い浮かぶ。

 一般的に想像されるUFOは、円盤型(見出し画像の形状で、理想的なフォルムを描いてみました)と言われているタイプだろう。ロズウェル(後述)に墜落したのも円盤型で、他の惑星から来ているものと思われる。ただし、大きさや性能からすると、惑星間移動というよりは目的地での足代わりにする"原付バイク"のような存在のように思える。
 誰もが1度は聴いたことのあるアダムスキー型は、1952年にアダムスキー氏が撮影したことで有名になった円盤型の一種。こちらは反物質(後述)以外の推進力によって飛行すると思われ、底部には子供が描くUFOのように3つの半球体が着陸脚として備わっているものもある。近年の目撃例が少ないことからも、やはりナチスが建造していた機体なのかも知れない。
 全長が数キロに及ぶものもある葉巻型は(円盤型UFOを格納する)母船であり、ワープ航法によって恒星間の長距離を移動することも容易だろう。一説には、月面にも葉巻型の巨大な宇宙船が不法投棄されていると聴く。
 近年、欧米で見られる頻度が増えているのがトライアングル型で、形状は三角形のプロセスチーズのようなイメージ。地球由来なのか別の惑星から来たのかは判らないが、各地の目撃例から推測すると恒星間移動ができそうな大きさはあるように思われる。
 菱形とは、ピラミッドを上下に合わせたような八面体の形状(下の画像を参照)で、ロシアや中国などで見られることが多いようだ。Mr.都市伝説の関暁夫氏が(オカルトの象徴とされる正六面体)キューブを回転すると「このカタチになるよね」と言っていたが、多分だけど・・・それは、ならない気がする。

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推進装置を考察する

 人類が発明した乗り物での「最高速度」は、いったいどれくらいだろうか。それは現在のところ、月から地球へ帰還するミッションの際にアポロ10号が記録した「時速39,897km」である。とんでもなく速いが、この速度では地球から最も近い恒星系まで行くにも16.5万年かかってしまう。それが、反重力エンジンであれば、約10年にまで短縮できるという。しかし、それでも"原付バイクでアメリカ横断"のような世界なので、やはり恒星間の移動は母船かワームホールに託すことになるのだろう。

 この反重力エンジンの概念は、理解しようにも複雑かつ難解な原理であり、wikiを読んでも雲をつかむような印象しか残らない。
 まず反重力とは、重力による時空の歪みをキャンセルできる斥力(負の重力場)のことである。万有引力の正反対の性質であり、万有斥力とも定義される。そを作り出すには膨大なエネルギーを必要とするので、UFOは反重力リアクターなる装置を搭載しているとされる。
 このリアクターでは、4つのメイン反応炉で元素115(モスコビウム)を化学反応させ、生じた反物質(全く逆の性質を持つ反粒子によって組成される物質)の反応を重力波の増幅に利用している。この元素115は反物質ではないが、陽子を衝突させて生成された元素116の崩壊時に発生する反物質が莫大なエネルギーと重力場を生みだすという、特殊な放射性物質であるといわれている。

 わずか223gの元素115でUFOは20~30年間も推進できるとされるが、元素115は地球には存在していないため、地球で製造されたUFOは別の推進方法を模索していた可能性がある。
 第2次大戦前にナチスが製造したハウニブーⅠ型(下の画像を参照)は、時速4800kmで飛行したとされており、渦巻状の空洞に生じる負圧を動力源にした爆縮型エンジンであったと言われる。同Ⅱ型とⅢ型はトゥーレ・タキオネーターによる反重力コントロールとシューマン・レビテーターを搭載し、Ⅲ型になると20名を乗せて時速6000kmでの飛行が55時間も可能だったと言われる。仕組みはサッパリ解らないが、きっと凄い技術なのだろう。

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 ナチスが軍用として製造しているので、ハウニブー型にはドイツのタイガー戦車などの砲台が据え付けられていて、最終的な目標の1つはロンドンとニューヨークを火の海にすることだったと言われている。


エリア51と1947年

 UFO元年が有るとすれば、やはり第2次世界大戦の終戦直後である1947年ではないだろうか。お好きな方ならピンと来ている筈だが、ニューメキシコ州にUFOが墜落して機体と宇宙人が極秘裏に回収されたと言われるロズウェル事件が起きた年である。
 まったく同時期のワシントン州で、ケネス・アーノルド事件というUFO遭遇事件が発生しており、そのときに飛行物体を皿に例えたことから、新聞報道で「Flying Saucer(空飛ぶ円盤)」という名称が定着したことも大きい。いままで表現方法がなかった現象に共通の呼称ができたことで、「あぁ、俺が見たのも空飛ぶ円盤だったよ」という具合に牧場主が証言したりして、大衆化することで目撃情報が一気に増加したのだという。

 ロズウェル事件では回収された機体が、最終的に エリア51 へ運び込まれたことは有名だ。ネバダ州のグルーム湖(乾燥湖)にあるエリア51は、アメリカ空軍が所有する新型飛行機の開発や訓練飛行で使用される施設である。ちなみに、原爆実験のため区画(エリア)に割り振った番号がエリア51という俗称の由来となっていて、実際の名称はグルームレイク空軍基地である。
 ステルス機などの新型航空機の研究・開発をする施設とされるが、国内で収集されたUFO関連の情報や証拠物の保管と研究開発をするS4という施設があるとされることから、どちらかというと「UFO関連施設」という認識が定着している。川崎市ほどある広大な基地の敷地周辺への立ち入りはもちろん、撮影なども一切禁止されており、不法侵入が見つかった場合は逮捕され、処罰の対象となってしまう秘匿の厳重さでも有名だ。
 Googleマップでもハッキリと施設が映っているにも関わらず、2013年までホワイトハウスは正式にはその存在を認めていなかった。→場所

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 あなたが女性で、ロズウェル事件、エリア51、アダムスキー型くらいを知っていれば、同席したオカルト好きなオジサンは喜んで飲み代を支払ってくれるかも知れない。それくらいキャッチ―な単語である。


我々は宇宙人だ!

 一般的に、地球外の惑星からUFOに乗って飛来する搭乗員を宇宙人と呼ぶが、もし彼らが「ワレワレハ、ウチュウジン ダ」と言ったとしても、それを聴いた人類も「我々も、宇宙人だ!」なので、あえて異星人という表記にしている。そもそも、知的生命体は必ずしも人型(ヒューマノイド)でない可能性もあるので、本当ならXファイルで使われていたEBE(Extraterrestrial Biological Entity)という表記にしたいところだが、この表現は日本でまったく定着しなかった。

 異星人で思い浮かぶのはグレイと呼ばれるエイリアンだが、ゼータ・レチクル星人の彼らはテレパシーのような方法で会話するため、耳や口は退化し、眼と脳だけが異常に発達している。食欲や睡眠欲は最低限に抑えられ、性欲からも解放されているので生殖のための器官を持つことも無く、クローンによって増殖していると聞く。しかし、2足歩行する知的生命体の進化系がアレでは、将来に希望の1つも持てたものではない。
 それよりは、ヒューマノイドによって恒星間を移動できるアンドロイドとして作り出されたのがグレイだと考えた方が納得がゆく。地球上に暮らす人類は、恒星間を移動するにはあまりにも脆くて儚い存在である。つまり、大気の成分や重力が異なったり、気温が変化することへの耐性が低いことから、地球から外にでることへのリスクが高すぎるのだ。他の惑星に住む知的生命体も同様であるとすれば、それらの耐性に優れたアンドロイドを製造して派遣するほうが理に適っている。

 墜落したUFOから回収されるのがグレイばかりだとすると、言われているように、あまり多くの種類の異星人は来訪していないように思える。
 一方で、コンピュータが普及して以降の10~20年での進歩は目覚ましく、ようやく人類もゲノム解析と遺伝子の組み換えが可能になり、AIという知能を深層学習させるようになった。そして次の20年間で、我々が異星人となって他の惑星を訪問することが可能になるだろうか?と考えても、アポロ計画から飛躍していない我々には難しいだろう。

 長寿社会などと言われても、結局は、ひとりの人間が生産活動に従事するのは35年間くらいだ。(都市伝説として)人類を創りだしたと言われているアヌンナキが、太古の人類に高等教育を施しても「あっという間に彼らは死んでしまう」と嘆いていたそうだ。そんな時間軸で人生を歩む地球人が、他の惑星に手が届くようになるまでには、あと何度、次の世代にバトンを渡すことが必要なのだろうか。
【了】

シリーズの目次と序文は コチラ です!


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