鹿の角でエレキギターのナットを作ろう
引き続き、VOX APACHEを弄っていきます。
購入から十年近く経とうとしていますが、ずっと気になっていたナットを交換します。
純正状態ではプラスチック?っぽいナットが付いていて、フレットの音とかなり異なった響きの音が出るのが気になっていたのです。
使えそうなリプレイスナットは無いかなあと探してみると色々と出てきます。素直に牛骨とかマンモス角とか何かこう一般的なものにしておけば良いのに、そんな折にふと目に入ったのは畑で拾った鹿の角。
これもナットにできるんじゃね?と思い立ってしまったのです。
こうして吉日が来てしまったからにはまずはやってみようということで切り出して行きます。
鹿の角を眺めながら、ギターのナットで使われている事例を調べてみます。
すると数件の記事を発見したものの、製品化などはされていないみたいです。
また、音に関しては良いよ!って書いてあるので良いのかも。
そもそも牛やマンモス、タスクなどとの違いも分からない身なので、プラスチック?ナットよりは良くるやろくらいの感覚。
ここでひとつのライフハックを得ます。
鹿の角は切ったり削ったりすると生のタケノコの匂いがする。
とりあえず、丸い断面なので一面を平らになるように金ヤスリで削りました。
しかしここからが難しい。
板状に加工するのですが、どうすれば、、、、
手持ちの道具でいっちょやってみっかという事でこれ⤵
ここで、鹿の角がナットには利用の難しい材料である理由の一つに気付きました。
鹿の角は、断面の中央部分が柔らかく、側の部分が骨のように固くなっています。
今回のナットは厚み3.5mmの薄型形状で指板の溝に嵌り込むタイプのため、なんとか材料取りができそうなのですが、指板の小口面を全て覆うような大型のナットだとそもそも材料取りが不可能に近い寸法になりそうです。
できるとしたら、鹿の角のワイルドな表面を残すという意匠かなあ?
ここでナットを自作する場合の利点に気付いたのですが、時すでに遅し。
溝の位置を自由に決められるため、弦のピッチを広げたり狭めたりできたんだなあと。
私の指はわりかし太目なので、指板いっぱいまで広げておけば良かったなあと思ったのです。まあいいか。
ちなみに、弦の嵌る溝の加工は、巻弦については100均のダイヤモンドヤスリセットにて、プレーン弦の溝は紙やすりを折りたたんで付けました。
この時のコツは往復して削らないこと。ソースはyutubeで見た。
そして仕上げの加工や固定を行う前に、肝心の音を出してみましたところ、、、
、、、
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おお!プラナットのペキペキの感じからムチっとした感じになりました。ジャジィ~?
それに、フレットを押さえた音と開放弦の音の調和度が上がったような。気のせいかもしれませんが、ナットを変えたことでフレットを押さえた時の音も良くなってるような気がします?
ともかく、元の状態より好みな音になったことや、自分の作ったナットがちゃんと機能しているというだけで嬉しくなりますねえ。
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その後、微調整で削っていく中で削り過ぎました(白目)
ということでVOX APACHEにポン付けできるリプレイスナットにすることにしました(白目)
寸法の感じから、このあたりがいいかも?
なんでも、TUSQ(タスク)という素材は骨や角よりも倍音感が良い!ということみたいですね。
早速届いたので鹿の角ナットと並べてみます。
黒色がTUSQナット。
幅や弦ピッチはばっちりですが、いかんせん高さが足らない。
ポン付けできると言ったがあれば嘘だ。
ナットの溝を嵩上げします。
今度はもっと慎重に微調整をしながら削っていきます。
良い塩梅になったので、嵩上げ部材を瞬間接着剤で取り付けました。
さらに、TUSQナットの下側も平面が出ていなかったので磨きまして、、
取り付け完了!
ナット低めセッティングが決まりとても弾きやすくなりました。
音については、プラや鹿の角と比較すると、、
■プラナット
ペキペキで軽い感じ
ナットを机の上に置いた時の音はカタ
■鹿の角ナット
ムチっとしつつ芯のある感じ
生音というかギター本体の振動具合が強くなったような?
ナットを机の上に置いた時の音はコトリ(陶器っぽい印象)
■TUSQナット
ムチっと感もありつつ、ギーンという感じ。これが倍音?
生音やギター本体の振動具合が強くなる。夜中は気を付けて弾かないとアカン
ナットを机の上に置いた時の音はキン(備長炭みたい)
弦は張り替えずに、短時間のうちに比較できたのでおおよそナットの違いを体感できたはず。
またいつか鹿ナットや異素材ナットに挑戦してみてもいいかもしれないですねえ~
ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、試行錯誤を繰り返して、楽しかったり上手く行ったところを書いていたりします。 貴重なサポートを頂けますと、なおさら色んなことを試して書きます!