「バリー・ボンズ氏と松井秀喜氏の違い」を徹底分析する
今回は、「バリー・ボンズ氏と松井秀喜氏を様々な観点から比較」してみたい。
松井氏とボンズ氏の比較は、いつかやってみたいなと長いこと考え続けていたテーマで、それには次のような動機がある。
(やや長めの前置きなので、さっさと本題に入りたい方はもう少し下にスクロールしてもらいたい)
①ボンズ氏は「西洋人(アフリカ系のルーツを持つ)」であり、松井氏は「東洋人」である。両者を比較すれば、日本人打者がMLBで成功するための具体的な指針が見えてくるはず
②ボンズ氏と松井氏は、打者としてのタイプが似ている:左の大柄な長距離打者で、率と長打が両立するタイプ。にもかかわらず、ボンズ氏と松井秀喜氏のバッティングにはメカニクス的にも成績的にも歴然とした違いがある。具体的にどこがどう違うのか?
③ボンズ氏と松井氏は体格が似ている。松井氏はMLBの公称では188cm104kg。ボンズ氏はキャリア後半では188cm105-110kg程度で、松井氏とほぼ同じくらいの体格(ボンズ氏の薬物使用疑惑はここでは一旦置いておく)。しかし、ボンズ氏が「MLB通算最多本塁打・MLBシーズン最多本塁打」など数々の打撃記録を持つ「MLBの超一流」であるのに対して、松井氏は成績的には「NPBの超一流、MLBの一流」クラス。大変失礼な表現で恐縮だが、ボンズ氏に比べると、松井氏のMLBでの打者としてのランクは一段落ちてしまう。では、両者の体格がほぼ同じであるのにも関わらず、なぜ差が生まれたのか?
④ボンズ氏は「5ツールプレーヤー」であった(史上最高との呼び声が高く、現在で比較できるのはトラウト選手くらい)のに対して、松井氏は「打撃特化」の印象が強い。なぜボンズ氏は5ツールで、体格が同じくらいの松井氏は5ツールではなかったのか?
⑤松井氏は、ボンズ氏に代表される「軸足をメインに使い、その場で回転して打つ」スイングの完成を目指していた。それでもボンズ氏と松井氏のスイングにはかなりの違いがあると素人目にもわかる。それはなぜか?(※ちなみに、筒香選手もこのアプローチに挑戦しているようなので、今回の記事は筒香選手の打撃分析にも応用できるはずだ)
⑥ボンズ氏と松井氏は、打撃のスイング様式や練習方法がちょうど真逆である(後述)。この辺りを考察すれば面白そうではないか?
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