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野球ボールの「正しい握り方」について

ピッチャーからの相談を受けるようになって最も驚いたのが、

甲子園に出るような高校の選手であっても、あるいは140キロを超える速球を持つ投手であっても、意外と「合理的なボールの握り方」を教わったことがない人が多い

ということだ。


言うまでもなく、野球においてボールの握り方は非常に重要だ。

投手の運動連鎖の最後に位置するのが「手指→ボール」というコネクションであり、ボールの握り方は直接的に球質を左右する。

・投手が正しい握りを徹底することは、「高い球速」「正確なコントロール」「高いコマンド能力」「回転効率が高く、回転数が多く、回転軸の傾きが少ない、ホップ型のストレート(※2)」「肩肘の障害予防」「下半身の障害予防」「変化球の質」に直結する。
・野手が正しい握りを徹底することは、「高い球速」「正確なコントロール」「バウンド予測の容易さ」「後半の減速が少ない送球」「肩肘の障害予防」に直結する。
・ボールの握り方が不合理だと、肩回りの動きや、下半身の動きにも大きな悪影響が及んでしまう。試しに、ボールを思いきり五本指で「わしづかみ」したときの下半身の動きを観察してみるとよい。肩回りが動きづらいだけでなく、それが下半身にも影響するのがわかる。ボールの握り方がおかしいことが原因で故障することさえある。

※1:この記事では「バックスピン成分が多い4シームファストボール」「回転効率が高く、回転数が多く、回転軸の傾きが少ない、ホップ型のストレート」を理想とし、このストレートを実現しやすい握り方を「合理的」とみなす。もちろん、個々人のピッチングスタイルに応じて多少のアレンジは必要だ。


というわけで、今回の記事では「ボールの握り方」を特集する。

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