全126話を観て、人はなぜ喪黒福造の誘いに乗ってしまうのか考えた。
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読んで楽しんでいただけたら、それが何よりの報酬でございます。
幼少期、「笑ゥせぇるすまん」は子供は観てはいけないアニメだと思っていた。
予想を上回るホラーな展開や、たまにあるお色気シーンにもドキドキしながら、1人こっそり観た。
大人になって改めて観てみると、心について学ぶことがたくさんあることに気づく。また違った意味で面白い。
学びを兼ねて、あらすじやポイントをメモしつつ鑑賞することにした。
なぜ喪黒の誘いに乗ってしまうのか。
なんであんな怪しさ100%の男に、みんなついて行ってしまうんだろう。
はたから見ている分には、甘い誘いに乗るのが悪いんだ、なんて冷静でいられる。
さわやかな笑顔、高そうなスーツ、そんな見せかけの外見などで錯覚させるのではなく、有無も言わさず人の心の中の触れられたくない部分を瞬時にガシッと掴んでしまうのが喪黒福蔵という男。
彼のテクニックは大まかに3つです。
・不慮の事故に見せかけて、相手に罪悪感を植え付ける
蹴った石や打った球が喪黒に当たってしまうなど、喪黒に対して不利な行為をさせることで申し訳ない気持ちを植え付け、相手が断りにくい関係性を作ります。
・困っているところを助けられて一気に信頼感を得る
追いかけられていたり、あらぬ言いがかりをつけられて困っているところにちょうどよく喪黒が現れ、窮地を救うことで恩を売ります。感謝の思いから相手の心が開きやすくなります。
・本人が見て見ぬふりをしている心の隙間をさらりと突いてくる
自覚しているようで目を逸らしている厄介な部分をずばり言い当てられることで、最初は拒否反応を示すものの、しだいに頼らざるを得ない状況になってしまい、むしろ1番の理解者だと錯覚することもあります。
良し悪しは別として、人を動かすテクニックとしては敏腕セールスマンですよね。
とは言え、喪黒はただ人を陥れる悪魔というわけではありません。
ストーリーの中で人間の弱さや欲深さなどをブラックユーモアを交えて問題提起し、それを観ている私たち視聴者に向けての教訓を与えてくれます。
私が主に感じた教訓はこの4つです。
当たり前と言えそうなものばかりですが、心がけていたとしても完璧にするのはなかなか難しいことです。
ちなみに私の中での神回は、100話のスペシャル回「今仁見手郎の秘密復讐計画表」です。
喪黒vs主人公の構図が唯一無二な回で、ハラハラと手に汗を握る展開がとてもおもしろくてオススメです。
もし私の前に喪黒福造が現れたら、どのスキマを見透かされてしまうのだろう。心当たりのあるスキマがいくつか…笑
喪黒さんが最終回の前に一度、途中で弱音を吐くシーンがあるんですよ。もう人の心のスキマを埋めてばかりで疲れた…みたいな。
そのシーンを見て、なんだかちょっとしんみりしちゃいました。
果たして彼は心から笑っているのでしょうか。
99話で初めて弱音を吐き、126話(最終回)でついに旅に出てしまう喪黒。
誰が彼の心のスキマを埋めることが出来るのだろう。
藤子不二雄A氏がご存命のうちに、最後に喪黒福造自身がハッピーエンドな特別回を是非ともお願いしたかった。
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