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いくつかの文脈の先にあるもの

TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)を知っているか

何度も見返している好きなTRPG実況動画があります。

まずはこちらをどうぞ。

わからない人はなにもわからないと思います。

というかなにも刺さらない、面白さがわからない、観続けられないという動画だと思います。なんならTRPGも何の略かわからないですよね笑

このコンテンツを素直に受け入れるためにはいくつかの前段階になる文脈を自分の中に取り入れている必要があるなと感じます。

1:RPGゲームを楽しめる

まずは、RPGゲーム。わかりやすいところでいうといわゆる『ドラクエ』。魔王を倒し平和を求める勇者になりきり戦闘して経験値を貯めレベルアップしてストーリーを進めていくゲームです。

TRPGとはRPGとついている通り、ロールプレイングゲームです。役割(基本は主人公や勇者)を演じながら物語をすすめていきます。

TRPGはテーブルトークロールプレイングゲームと読みます。
日本で40年以上の間、多くの人に遊ばれてきたこの遊びの形は、とても楽しく、そしてほかのどんなゲームでも得難い体験ができるものです。

https://fujimi-trpg-online.jp/about/trpg.html

まずそのRPGの振る舞いに理解があるかがひとつ目の文脈になります。

またキャラクターやステータスへの理解などもRPGゲームから得ることもできます。

ドワーフやエルフなどはRPGのキャラクターとしては定番ですよね。

STR(筋力)、DEX(敏捷性)、INT(知性)など、テレビゲームではもう少しわかりやすく、攻撃力やすばやさ、魔力などと表記されますが、なんとなくその数値がなにを表しているかはだいたいわかると思います。

2:ボードゲームを楽しめる

TRPGはリアルに対面し、実際の人物がやり取りしながら物語を進めていきます。

場面場面の決定はダイスを振って成功失敗を決めます。またはゲームマスター(GM)と呼ばれる人によって判断されます。

ダイスの目によって決まるファンブルやクリティカルなどの用語はボドゲ用語だと思えばわりとすんなり入ってくるはずです。(「SAN値チェック」はどこかで聞いたことあるひとはいるかも!?)

いわゆるテレビゲームはシステム上すでに決まったストーリーラインはありますが、TRPGではGMによってある程度臨場感をもってその場で判断されることが多いです。

そういったそこに集まった人によるリアルなやりとりや偶然性などがかなり物語に影響し、ある意味それ自体を楽しむのがテレビゲームでのRPGとは違いTRPGこその醍醐味といえます。

そういった点で、ボードゲームをしたことある経験がそういったリアルのやりとりや偶然性を楽しむカルチャーを自分の中につくってくれます。

3:ゲーム実況を楽しめる

ゲームをする人でもゲーム実況を観れないひとがいます。

僕自身も昔はゲーム実況は観れませんでした。それは自分がやったときのイメージと違ってイライラしてしまうからでした。素人っぽい話し方も当初は苦手なところがありました。

でもやったことのないゲームの実況を観始めたころからだんだんとゲーム実況にハマっていきました。

人のやっているゲームを楽しんで観れるっていうのもひとつの素養だと思います。TRPGを自分でやるのではなく、人のプレイを観るというカルチャーもこの動画には入っています。

この辺の理解ができると、この動画の人たちのロールプレイング力の高さに感心することができると思います。

4:ウェブ漫画を観たことがある

ただのゲーム実況ではなく、この動画は紙芝居のようなイラストが続きます。ぱっと見かなり手抜きに見えるようなイラストだと思います。

ただ、ウェブ漫画を見たことがあるとその耐性がつきます笑
背景はほぼなく、モブなんかは棒人間なことも多いです。

それでも楽しめるということは、イラストの書き込みに惑わされることなくストーリーそのものに集中できる体力がついているということです。むしろ余白は自分の想像力次第です。

実は今ジャンプで人気の『ワンパンマン』はウェブ漫画スタートで、原作はかなりシンプル(というか雑?)なのは知ってました?

逆にこれだけ少ない線で物語を的確に表現していることが、かなり優秀な表現に見えてくると思います。

引用:『ワンパンマン』第一話


4つのカルチャーが重なる場所


冒頭で紹介した動画は、こういう文脈を経ている自分には、かなりわかりやすくそして面白くつくられた動画だと思うのですが、それでもわからないひとにはわからない動画だよなーだと思います。

そしてかなりニッチな世界だなと。

それでも1つ目の動画は700万再生回っている。ニッチな世界とはいえこれほどの力があるというのはある意味勇気のもらえる話でもあります。

ただ2つ目では300万いってない。半分以上離脱するのは、やっぱり楽しむのに必要な文脈が多すぎるんだろうなと思います。

一応言っておきますが、冒頭の動画は必ずしも今あげた4つの文脈を通っていなくても、初見で楽しめる人は楽しめると思いますし、それぐらいコンテンツとしては仕上がっていると思います。

同じ構造は実はほかにもいっぱいある

たとえば「芸術」なんかはそういう性質はあるなーと。

過去の芸術家の振る舞いや時代の要求を知っているから、その芸術家や作品が評価されているかが理解できる。

絵を描くことそのもの(画材や画法など)への理解もその文脈のひとつかと思います。

ただ初見のハードルはめっちゃ高く感じる。

同じような構造は世の中にいっぱいあると思う。ビジネスという括りとかでも。

なにがいいたいかというと

それ単体でも楽しめたものの先には、掛け合わせでさらに楽しい未来が待っていると期待して、目の前のものを楽しんだらいいんではないかということ。

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ホリイシンタロウ@保育とデザイン
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