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【植毛は単純な足し算ではない】
植毛は、後頭部や側頭部からダメージのない綺麗な株を採取し、気になる部位に移植します。
皮膚の状態や生着に問題がなければ、通常3、4か月後から移植毛が生えてきます。
6か月前後で大分毛が伸び、毛量も増えてきますので実感を伴いやすくなります。
そして、そこからさらに時間が経過すると、移植毛は1本1本太くなっていき、さらにボリューム感が増していきます。
完成形の目安は、術後1年程度です。
![](https://assets.st-note.com/img/1727230919-AvOgX24BomIPTknbd3izLqYc.png)
植毛をすれば移植毛がプラスとなります。
しかし、単純な足し算というわけではありません。
というのは、
①移植毛が生えそろうまでの間にAGAが進行して毛量が減ってしまう可能性がある
②植毛技術や精度
③移植部の既存毛(元々生えている毛)が手術の侵襲に耐えられるかどうか
これらの要因により、移植毛による効果が半減したり、相殺されてしまう可能性があるためです。
もう少し掘り下げて考えてみましょう。
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①移植毛が生えそろうまでの間にAGAが進行して毛量が減ってしまう可能性がゼロではない
AGAの場合、移植部や移植部周辺にある元々の毛(既存毛)というのは、AGAの影響を受けやすいエリアの毛です。
AGAの進行抑制に関しては、フィナステリドやデュタステリドなどのAGA治療薬を内服することによって、既存毛を守ることが可能であり、必須といえる治療です。
しかし、薬の効果には個人差があり、AGA治療薬を内服していても残念なことに、AGAが進行してしまう場合があります。
そうすると植毛をしても当初の予定ほど毛量が増えない…ということが起こり得ます。
※ AGA治療薬を内服していれば、ぐいぐいAGAが進行することは多くはありませんが…
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②植毛技術や精度
植毛をする場合、手術計画が必要です。
例えば、、、
・どの範囲まで植毛をするのか?
・密度をどうするか?
・配分は均一にするのか? もしくはグラデーションをつけるのか?
・毛流れはどうか?
・既存毛の間に植毛をする場合は、どの隙間に毛穴を作成するか?
・術後、患者さんの希望するヘアスタイルはどうか?
などなど。。
密度アップに対する考え方や移植部と非移植部の境界部の取り扱い方などは結果に影響をしますし、クリニックごとに特色があったり、さらに言えばどのドクターが執刀するかでも結果も変わってきます。
また、実際の毛穴づくりの精度が非常に重要です(言うは易く行うは難しです)。
毛というのは、毛流れや皮毛角(毛が生えている角度)があり、刻々とこの向きや角度というのは微妙に変化しています。
つむじを想像してもらうと分かりやすいかと思います。
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この毛穴づくりの精度が低下すれば、既存毛を傷つけてしまうリスクが高くなり、毛量の低下に繋がってしまいますので、私は一刺し一刺し慎重に毛穴を作成しています。
既存毛を置き換えるという考え方も一部のクリニックではあるようですが、私は基本的には今ある既存毛のロスを極力減らしたいため、隙間隙間を狙って毛穴を作成するようにしています。
ちなみに、毛穴作りの精度が高まるということは、毛流れに沿って繊細に毛穴を作成するということと同義になりますので、自然な毛流れを維持するということにもなります。
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③移植部の既存毛が手術の侵襲に耐えられるかどうか
手術部位では、術後必ず”炎症”が起きます。
この”炎症”という観点も見逃せません。
特にAGAが原因で手術をする場合、毛が弱っている領域に手術をするわけですから、元々そこに存在している既存毛が”炎症”による影響を受けることによって抜けてしまう可能性が正常の部位と比較して高いと考えられます。
ただ既存毛が減ったとしても、また生えてくるのであればそれほど大きな問題にはなりません。
問題になるのは永久的なロスです。
②の話にも関連する話ですが、毛穴作成の時にどれほど精度を高く既存毛を避けて毛穴を作成したとしても、既存毛がこの”炎症”に対して耐えられなければ、既存毛分の毛量が減ってしまう可能性があります(耐性が低いということです)。
特に、AGAがかなり進行して弱っている状態の領域に手術をする場合、永久的なロスをきたしやすそうな感じがするのは、専門家でなくともなんとなくイメージできるのではないかと思います。
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また、血流の問題もあります。
密に毛穴を作成すれば皮膚の血流障害が起こりやすいというのは想像しやすいと思います。
では、ゆるゆるの低密度で作成すればそれで良いのか?というとそうとも言えません。
確かに生着率が高まる可能性はありますが、低密度過ぎると生え揃った時に増えたという実感を伴いにくく、結局満足感が得られないということにもなりかねません。
生着率を保ちつつも、密度もそれなりに入れる必要があり、この ”バランス" が非常に大切であると考えております。
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