【水中で口笛】玲音さんのやさしい歌たち
くどうれいんさんのことは、名前だけ知っていた。確か「ねむらない樹」の学生特集で読んだのだったと思う。それから時が流れて「水中で口笛」を手に取ったわけであるが、なんだろうこの暖かい気持ちは。宝石箱に隠しておいた宝物のひとつひとつを丁寧に見せてくれるような明るさ、人間としての輝きを見せつけられた。タイトルは
水中では懺悔も口笛もあぶく やまめのようにきみはふりむく
という歌からとられている。この歌を初めて読んだ時のみずみずしい気持ちは忘れられないと思う。玲音さんの歌は思わず