見出し画像

かまどベンチでたき火体験~楽しみながら「かまどベンチ」と「火の扱い方」を学ぶ~【準備編】

こんにちは。寺小屋運営メンバーのT.Y.です。 今回は、記念すべき寺小屋の初イベント「かまどベンチでたき火体験」の準備から実施までの様子をお伝えします。寺小屋は、多摩市協創推進室で行われている東寺方エリアミーティング、協創ミーティングの中から生まれた「誰でも楽しく学び合える場」をつくるためのコミュニティです。これまでの活動や経緯についてはこちらをご覧ください。

1. イベント開催に必要な手続き

今回のイベントの主役となる「かまどベンチ」は、一見すると普通の公園のベンチですが、災害時には重要な炊き出し設備となる防災施設です。多摩市内の複数の公園に設置されており、今回は一ノ宮にある宮之下公園のかまどベンチを使用させていただくことになりました。

公共施設での火気使用には慎重な対応が必要です。まず最初に、多摩市公園緑地課を訪問し、寺小屋の活動趣旨と今回のイベントの目的について丁寧に説明させていただきました。担当者の方々は、地域の防災力向上という私たちの意図をよく理解してくださり、前向きな検討をいただけることになりました。

しかし、公園使用の許可を得るためには、まず消防署からの許可が必要とのことでした。そこで多摩消防署に足を運び、「消防活動に支障を及ぼすおそれのある行為の届出書」を提出しました。この手続きについては、消防署の方から電子申請システムでも可能だとご案内いただき、今後の参考になる情報も得ることができました。

消防署の許可を取得した後、再度公園緑地課を訪問し、市立公園内行為許可書の申請を行いました。行政の方々は、私たちの活動に対して建設的なアドバイスもくださり、スムーズに許可を得ることができました。

地域との連携も重要な準備の一つでした。一ノ宮自治会の方々にもイベントの趣旨を説明し、ご協力をお願いしました。準備期間が限られていたため、自治会の回覧での周知は間に合いませんでしたが、掲示板へのチラシ掲示を快く承諾していただきました。また、イベント開催の1週間前には、会場となる公園周辺の各家庭を一軒一軒訪問し、イベントの説明とご理解をお願いして回りました。この丁寧な事前説明は、円滑なイベント運営にとても大切なことだと感じています。

2. 火にくべる薪の準備

イベントで使用する薪の調達は、大きな課題の一つでした。多摩市諏訪にあるエコプラザ多摩を訪問し、相談させていただくことにしました。エコプラザ多摩は、多摩市内の家庭から出される資源の選別・保管を行う施設で、特に私たちが注目したのは、家庭や公園から出される剪定枝木の活用でした。

通常、集められた枝木は土壌改良材として資源化されているため、基本的には他の用途での使用は認められていません。しかし、私たちが地域防災の学びの場としてかまどベンチを活用する意図を説明したところ、エコプラザ多摩の職員の方々は前向きに検討してくださいました。

さらに、エコプラザ多摩の職員の方から、防災安全課でも薪割り体験などの活動を行っているという貴重な情報をいただきました。この紹介により、防災安全課から薪割り用の斧をお借りできることになり、イベントの可能性が大きく広がりました。

3. イベントに向けての分担作業

イベントの準備は、寺小屋メンバー全員で協力して進めていきました。必要な道具や薪の運搬手段の確保、チラシのデザインと印刷、広報活動など、事前の準備は多岐にわたりました。

オンライン上で必要な作業を共有すると、メンバーたちから次々と「それは私がやります」という自発的な申し出がありました。それぞれが自分の得意分野や可能な範囲で役割を引き受け、助け合いながら準備を進めていく姿に、寺小屋の理念である「学び合いの場」が自然と形作られていくのを感じました。

寺小屋メンバー間では、コミュニケーションツールとしてDiscordを活用しています。このプラットフォームを使って、イベント前の小さな実験として、各自が考える火起こし方法を共有したり、近所で見つけた使えそうな枝の写真をアップロードしたりと、準備の過程自体も学びの機会として活用しました。

また、予定していなかった協力も得ることができました。例えば、エコプラザ多摩での相談がきっかけで防災安全課とつながり、必要な道具を借りることができたように、人とのつながりが新しい可能性を生み出していきました。

準備を進める中で、行政の方々、地域の皆様、そして寺小屋メンバーなど、多くの方々の協力があってこそ、このイベントが実現できるのだということを強く実感しました。イベントを企画する段階では想像もしていなかった様々な出会いと発見があり、それ自体が私たちにとって大きな学びとなりました。

次回は、これらの準備を経て実施されたイベント当日の様子についてお伝えします。かまどベンチの使い方や火起こしの体験、参加者の皆様との交流など、充実した時間となりましたので、ぜひご期待ください。
次回「実施編」に続きます。


いいなと思ったら応援しよう!