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樹木から学ぶ生き方(4)明確な役割分担を考える

樹木はさまざまな器官を持ち、それぞれが異なる機能を持ち、役割を果たしている。

  1. 幹 (Stem):

    • 支持機能: 幹は樹木の高さを維持し、葉や枝を支えている。

    • 水と養分の輸送: 幹の内部には導管があり、水と栄養分を根から葉へ輸送する。

    • 貯蔵: 光合成で生成された糖をデンプンなどのエネルギーとして貯蔵する。

  2. 根 (Roots):

    • 水と養分の吸収: 根は土壌から水と養分を吸収し、葉の蒸散と展開などに供給する。

    • 安定化: 根は樹木を土壌に固定し、風や雨による倒れを防ぐ。

    • 貯蔵: 幹と同様に、根にエネルギーを貯蔵する。

  3. 葉 (Leaves):

    • 光合成: 葉は光合成を行う。光合成によって、光エネルギーを利用して二酸化炭素と水を糖に変換し、酸素を放出する。

    • 蒸散: 葉からの蒸発は水分を大気中に放出し、二酸化炭素の取り込みと水の吸収と輸送の駆動力を発生させる。

  4. 枝 (Branches):

    • 葉の展開: 枝は葉が太陽光を最大限に受けるように支え、配置し、光合成の効率を高める。

これらの器官は樹木の生存と成長に不可欠であり、それぞれが特定の生態的役割を果たしている。樹木の健全な成長は、これらの器官が協力して機能することに依存している。

葉が働かない(光合成)と根が枯れる、根が働かない(水分吸収)と葉が枯れる。幹では、木部導管は根から葉、内樹皮篩管は葉から根を繋ぐ。どれか一部の器官が機能しないと、組織全体がいずれは死んでいくことは明らかである。

これをビジネスやスポーツの世界に適用すると、健全で成長する組織やチームも同じ原則に基づいていることに気付く。明確な役割分担が行われ、各部署やプレーヤーが最高のパフォーマンスを発揮する組織は無敵だ。

折しも、阪神タイガースが優勝した。この成功は、岡田監督リーダーのもと、各プレーヤーが明確な役割を持ち、それを徹底的に実行することによって成し遂げられた。大谷選手のようなマルチプレーヤーがいなくても、各プレーヤーが自身のポジションで最善のパフォーマンスを追求し、それが組織全体の成功に繋がった。

組織やチームは、個々のメンバーが互いの強みを認識し、役割分担を明確にし、連携して協力することで成長し、成功を収めることができる。このような協力があるからこそ、組織やチームは健康で成長し、最終的には「あれ」(目標達成)出来る。

樹木にマルチプレーヤーはいない。しかしながら、自分自身を樹木に喩えると、組織の一員であるときは、タスクや役割を全うするスペシャリストであればよいが、個人事業主であるときは、マルチタスクをこなせるマルチプレーヤー(ジェネラリスト)でなければならないのであろう。


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