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「人」と「森」のコミュニケーション 森林資源基盤型産業のリサイクル(8) アロマテラピー(芳香療法)

「森」の香り、「樹」の香り、「木」の香り、これらは疲弊した人間の自然治癒力を高めて、心身を蘇らせる=リサイクルする。

「森」の中を歩くと、落ち着いてリフレッシュできた気分になる(森林浴)、ヒノキやヒバのお風呂釜に入ると、「木」の芳香に癒される。これらは、「樹」や「木」が放散する揮発成分のおかげである。この正体はテルペン類である。代表的なものに、その名も「レモン」ユーカリ(Eucalyptus citriodora)が放つリモネンがある。テルペン類もまた「樹」がCO2から作り出した有機炭素化合物である。

テルペン類には多種多様な成分があり、抗菌などの特別な生理活性をもつものがある。炭素数5のイソプレン単位が繋がってC10がモノテルペン、C15がセスキテルペン、C20がジテルペン。ジテルペンの一つがスギの枝葉に含まれるカウレン、実はジベレリンという植物ホルモンの前駆体で、スギはカウレンを通じて周囲の植物とコミュニケーションをしているらしい。

「人」には、交感神経と副交感神経があり、興奮したりストレス状態になると交感神経が働き、気分が和らぎリラックスすると副交感神経が働くようだ。「人」のストレス⇔リラックス、この循環サイクルを司っている「森」の香り成分の構成要素であるCO2やテルペン類もまた大気⇔樹を循環しながら、「人」と「森」のコミュニケーションに役立っている。

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